研究課題/領域番号 |
07262226
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)大阪バイオサイエンス研究所 |
研究代表者 |
森 憲作 財団法人大阪バイオサイエンス研究所, 第3研究部, 副部長 (60008563)
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研究分担者 |
玉田 篤史 財団法人大阪バイオサイエンス研究所, 第3研究部, 特別研究員 (60270576)
杉野 英彦 財団法人大阪バイオサイエンス研究所, 第3研究部, 特別研究員 (70270577)
吉原 良浩 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (20220717)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | テレンセファリン / LFA-1 インテグリン / ミクログリア・ニューロン相互作用 / シナプス伝達長期増強 |
研究概要 |
(1)終脳特異的膜表面認識分子テレンセファリンのリガンド分子の同定 テレンセファリンのN末端から8つのIg様ドメインは、免疫系での細胞間相互作用で重要な役割を果たすICAM-1およびICAM-3のIg様ドメインと非常に高いアミノ酸配列相同性を有している。ICAM-1及びICAM-3はLFA-1(CDlla/CD18)インテグリンを共通のリガンド分子(カウンタレセプタ)としていることより、テレンセファリンもLFA-1と結合するのではないかと予想された。そこで、LFA-1を細胞表面に高レベルで発現しているHL-60細胞株と、精製リコンビナントテレンセファリン蛋白を用いて上記の可能性を確かめた。テレンセファリンをコートしたウエルにPMAで活性化したHL-60細胞をインキュベートすると、強く接着することが観察された。テレンセファリンへのHL-60細胞の接着はいくつかの抗CDllaおよび抗CD18モノクローナル抗体により阻害されたことにより、テレンセファリンはHL-60細胞上のLFA-1と結合したと考えられる。LFA-1は白血球に広く発現する他に、脳内では各種の脳疾患時に活性化されたミクログリアで強く発現する。従って上記の結果は、ミクログリア-終脳ニューロン、あるいは白血球-終脳ニューロンの相互作用にテレンセファリンが関与することを示唆している。 (2)テレンセファリンの機能解析 テレンセファリンがシナプス伝達の長期変動に関与しているのではないかとの予想のもとに、海馬CAl領域の錐体細胞へのシェ-ファー側技からのシナプス入力の長期増強にテレンセファリンが役割を担っている可能性をチェックした。ラット海馬切片上のCAl領域に抗テレンセファリン抗体、もしくは精製リコンビナントテレンセファリンを注入すると、シェ-ファー側技からのシナプス入力の長期増強が顕著に抑制された。この結果は、CAl領域におけるシナプス伝達長期増強の形成および維持にテレンセファリンが関与していることを示している。
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