研究課題/領域番号 |
07263109
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
市橋 正光 神戸大学, 医学部, 教授 (00030867)
|
研究分担者 |
堀越 貴志 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (40145587)
野中 薫雄 琉球大学, 医学部, 教授 (10039571)
武部 啓 京都大学, 医学部, 教授 (10028318)
上田 正登 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (20176598)
佐藤 茂秋 神戸大学, 医学部, 教授 (00076994)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1995年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
|
キーワード | 太陽紫外線B / 皮膚癌検診 / 皮膚癌危険因子 / スキンタイプ / 光老化 / DNA損傷 / 有病率 / 脂漏性角化症 |
研究概要 |
太陽光の物理計測で札幌:神戸:宮崎の地表年間紫外線B量比は1:1.9:3.4と、緯度に逆相関した。 兵庫県加西市(人工約5万)の一般市民対象皮膚癌検診で、前癌症である日光角化症(SK)の有病率は人工10万当たりは265.9であった。この数値はIARCの長崎県の4.5より高いが、ハワイ在住の日本人皮膚癌発生率54.0に比べ低い。 日焼けしやすいスキンタイプIは日焼けしにくいスキンタイプIIIに比べ有意に高いSK有病率を示し、スキンタイプIが日本人皮膚癌の危険因子である可能性が示唆された。 SK患者24人のうち顔面と手背に生じた良性腫瘍(脂漏性角化症,Seb K)数を分析したところ、Seb K数が6個以上はSKの危険因子と考えられた。 癌抑制遺伝子p53と皮膚癌との関連では、抗体を用いた免疫染色法で約50%の有棘細胞癌とSKに陽性所見を得た。DNA分析では基底細胞癌の約20%に突然変異を見い出している。 SK組織の病理組織的検索で、79例中20例に空胞変性細胞を認めたことから、HPVが本症発症に一役担っている可能性が考えられた。 日光曝露部の皮膚腫瘍は6個中5個でp53遺伝子のCC,CT,TT部位にトランス型突然変異を生じていたが、非曝露部位では8個中4個と50%であった。露光部の変異は明らかに紫外線誘発と考えられた。 ヒト培養角化細胞は紫外線Bによりペプチドα-MSH、ACTHとを生成分泌し、酸化・還元に関与するチオレドキシン(ADF)を合成放出する。一方ヒト培養色素細胞はADFによりα-MSHリセプター発現が上昇する。紫外線Bはパラクライン的に色素細胞を活性化することが明らかとなった。 今後Seb K発症に関与する分子を追求し、皮膚癌危険因子としての意義を明らかにする。皮膚癌防止には紫外線によらないメラニン生成誘導が有効と考えられる。
|