研究課題/領域番号 |
07263219
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
前田 正史 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (70143386)
|
研究分担者 |
池田 貴 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30212773)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | チタニウム / アルミニウム / リサイクル / 脱酸 / 電子ビーム溶解 / 引張試験 |
研究概要 |
チタンは、比強度、耐食性に優れた材料であるが、酸素との親和力が非常に強く数%の酸素の溶解によって金属材料としての使用は不可能になる。これまで、チタンからの脱酸素は不可能であり、リサイクルの妨げになっていた。アルミニウムによる脱酸素を前提にして、リサイクル性の良いチタン系合金新材料を開発することを目的にしている。特殊電子ビーム溶解によって高アルミチタン合金の製造と脱酸素の実験を行った。作成した合金からテストピースを切り出し、ビッカース硬さ試験、常温、高温での引張試験を行い、機械的性質に及ぼすアルミニウム濃度、酸素濃度の影響について評価した。 脱酸素可能な高アルミ合金の製造 電子ビームを熱源とした真空溶解において、純チタンからの脱酸は困難であるため、A1添加による脱酸を行い除去できることがわかった。また、アルミチタン合金からは容易に脱酸することがわかった。そこで均一なアルミチタン合金を製造するために以下のような実験を行った。純チタン線材および純アルミニウム線材をそれぞれ40gずつ秤量し、角型の水冷銅るつぼに交互に重ね合わせるようにセットし、圧力2×10^<-3>Pa、溶解温度2073K、溶解時間は300120、120、120secの計4回を毎回試料を裏返しながら溶解を行った。アルミニウム濃度は平均値39.4mass%±1.5mass%であり、ほぼ均一のTi-Al合金の製造が可能である。酸素濃度は、溶解前の500ppmから平均値16ppmまで減少し酸素を除去しながら組成を制御できることがわかった。 機械的性質に及ぼすAl濃度の影響 マイクロビッカース硬度計を用いて各試料の硬さを測定した。酸素濃度を約1330-1660ppmの試料を作成してTi-4.6%Alでは319HvTi-10.6%Alでは319Hv、Ti-15.2%Alでは319Hvとアルミ濃度の増加に伴って硬さは大きくなった。 引張破断強度に及ぼす酸素含有量の影響 Al濃度を10〜11%一定で、酸素濃度を100〜2400ppmまで変えて試料を作成して、その引張破断強度を調べた。酸素濃度が100ppmの試料の強度は413MPaで伸びが0.23%、2400ppmの試料の強度は162MPaで伸びが0.12%であった。酸素濃度が増加するにつれて引張強度および伸びの低下がみられた。酸素濃度をさらに低下することで同じAl濃度の試料でも引張強度および伸びの性質を向上することができると考えられる。
|