研究課題/領域番号 |
07263226
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
片山 葉子 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90165415)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 硫化カルボニル / 硫酸エアロゾル / 硫黄循環 / 環境浄化 / チオシアン加水分解酵素 / 微生物分解 / Thiobacillus thioparus |
研究概要 |
硫黄酸化細菌の一種のThiobacillus thioparusはチオシアンをエネルギー源として利用する際に、中間代謝物である硫化カルボニルを細菌外へ放出する。自然界ではフリーの状態で存在するチオシアンのほかに植物体に含まれるチオシアン配糖体(グルコシノレイト)が硫化カルボニル発生の基質となることが考えられるので、硫化カルボニル発生を行う微生物は自然界に広く分布している可能性が考えられる。硫黄循環における硫黄化合物の新しい流れを解明するための研究の一環として、本研究では土壌および水界微生物によるチオシアン分解に伴う硫化カルボニルの発生並びに硫化カルボニルの分解について調査・研究を行った。 「1」土壌・湖水微生物によるチオシアン及び硫化カルボニルの分解 日本各地の25地点において 採取した試料について調査したところ、ほとんどすべての地点においてチオシアン分解及び硫化カルボニル分解が確認され、これらの活性を有する微生物は広く分布することが明らかとなった。諏訪湖の表層水を用いて経時的にこれらの硫黄化合物の濃度変化をみたところ、T.thioparusの純粋培養系でみられたのと同様にチオシアンの分解にともない硫化カルボニルの発生が見られた。 「2」土壌カラムによる硫化カルボニルの分解除去 土壌カラムへ硫化カルボニルを通気開始しその直後には出口の濃度は約半分にまで減少した。滅菌処理を施した土壌ではCOSの減少は全く見られなかった。また、実験開始後24時間経過した後も硫化カルボニルの除去率に変化は見られなかった。以上の結果、土壌微生物は馴化の期間を必要とせずに硫化カルボニルを分解することが明らかとなり、悪臭・有毒ガスの除去にこれまでにも利用されてきた土壌による脱臭方法が硫化カルボニルに対しても利用できることが示された。
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