研究課題/領域番号 |
07263233
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
左右田 健次 京都大学, 化学研究所, 教授 (30027023)
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研究分担者 |
平澤 敏子 京都大学, 化学研究所, 教務職員 (80238352)
吉村 徹 京都大学, 化学研究所, 助手 (70182821)
江崎 信芳 京都大学, 化学研究所, 助教授 (50135597)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 加水分解的脱ハロゲン反応 / デハロゲナーゼ / L-2-ハロ酸デハロゲナーゼ / DL-2-ハロ酸デハロゲナーゼ / 反応機構 / 活性中心 / 立体構造 |
研究概要 |
L-2-ハロ酸のD-2-ヒドロキシ酸への加水分解反応を解媒するL-2-ハロ酸デハロゲナーゼの反応機構を解析した。ヒドロキシルアミン存在下、基質とインキュベートすると酵素は失活した。クロロ酢酸の存在下で失活した酵素の分子量は失活前に比べて約74増加していた。失活酵素ではAsp10が修飾されていることがN-末端アミノ酸配列分析から明らかになった。失活酵素をリシルエンドペプキダーゼで切断し、Asp10を含むペプチド断片をタンデムMS/MS法で分析したところ、Asp10に対応する部位で73の分子量増加が認められた。L-2-クロロプロピオン酸存在下で失活した酵素では、87の分子量がみられた。観察された分子量増加はAsp10のアスパラギン酸β-ヒドロキシム酸カルボキシルアルキルエステル残基への置換で説明できる。ここにはAsp10、基質、ヒドロキシアミンの3者に由来する部分が含まれており、本酵素反応がAsp10と基質からなるエステル中間体を経由して進行することを示している。X線結晶構造解析の結果、Asp10の近傍にThr14、Arg41、Ser118、Lys151、Tyr157、Ser175、Asn177、Asp180などが存在することが明らかとなった。これらの改変によって、本酵素の機能を改変できるものと期待される。 2-ハロ酸のD、L-両異性体に作用するDL-2-ハロ酸デハロゲナーゼ(立体反転型)を用い、D-またはL-2-クロロプロピオン酸を基質としてH^<18>_2O中で反応を行った後、酵素をリシルエンドペプチダーゼまたはトリプシンで分解し、得られたペプチド断片をLC/MS法で分析したが、本酵素への^<18>Oの取り込みは見られなかった。本酵素反応ではエステル中間体は形成されず、溶媒の水分子が直接基質を攻撃して加水分解が起こるものと考えられる。
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