研究課題/領域番号 |
07263239
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹内 亨 大阪大学, 医学部, 講師 (00188161)
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研究分担者 |
竹下 達也 大阪大学, 医学部, 助教授 (20150310)
森本 兼襄 大阪大学, 医学部, 教授 (20143414)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 活性酸素 / アスベスト / 酸化的DNA損傷 / 8ヒドロキシデオキシグアノシン |
研究概要 |
粒子状大気汚染物質、就中アスベストは遺伝毒性及び発がん性を有する物質として、古くから有名である。アスベストは細胞に活性酸素を産生させ、その活性酸素が発がんに関与すると考えられている。活性酸素によるDNA損傷、特に8ヒドロキシデオキシグアノシン(80HdG)は発がん過程で特に重要な役割を演じている。本研究では、測定誤差の非常に大きい80HdG測定系を、新しいコンセプトで高精度システムに作り替え、そのシステムを用い、アスベストによる80HdGの誘発並びにその防御を定量的に判定できるかを検討し、アスベストによる発がんを予防するための基礎データを得ることを目的とする。これまでの80HdGの測定は、試料調整を酸素の存在する空気中で行っており、その結果80HdG測定精度が低く、ヒト白血球同一試料2回測定で、測定値間の相関が認められなかった。そこで試料調整を酸素非存在下、嫌気性培養装置中で行い、ヒト白血球同一試料の80HdGを2回測定したところ、測定値間で有意の相関が認められた。また、嫌気性培養装置を用いて測定することにより、ヒト白血球80HdG量が、これまでの測定法の約5分の1になり、この測定法の有用性が確認された。これまでの80HdG測定法で、アスベストがマクロファージ様細胞に分化したヒト白血病細胞HL60の80HdGを増加させたが、無酸素下DNA処理法でも、このことが確認できた。また、マクロファージ様細胞のみでなく、アスベストがCHL細胞の80HdGを増加させることも確認できた。さらに、SH化合物、鉄キレート剤、低濃度のビタミンCがアスベストによる80HdG誘発を抑制することが判り、現在ヒト中皮腫細胞においても、アスベストによる80HdG生成並びにその防御を検討している。
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