研究課題/領域番号 |
07263242
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
太田 欽幸 広島大学, 生物生産学部, 教授 (10034464)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 悪臭性廃棄物 / 無臭化微生物 / 廃バイオマス / 大腸菌群 / コンポスト / 資源のリサイクル |
研究概要 |
人口が増加し、人間活動が盛んになるに伴い、厨芥、余剰汚泥、家畜排泄物、産業廃棄物などの悪臭性天然有機廃棄物量が年々増加している。これらの廃棄物を自然の循環系で微生物を用いて処理し、無公害化すると共に、資源として再利用することを目的としている。本年度は、豚ふん、鶏ふん及び厨芥を試料として、我々の無臭化微生物群を用い処理を行い、その処理中に病原性の存在の指標となる大腸菌の死滅について検討した。各廃棄物毎に5kgの試料と各試料で馴養された種菌1.5kgをよく混合し、これに、空隙度が2.0になる様に約0.9kgのモミガラを添加した。底に金網を張った木箱に堆積して、約20℃の外温に放置し、3時間毎に試料を採取し、悪臭度、水分、pH、温度、及び大腸菌群数を測定した。大腸菌群数は、公定法で測定した。その結果、豚ふんで、温度は約18時間で最高の70℃となり48時間続き、pHは7.5から48時間で8.9となった。水分は72時間で20%が減少し、12時間で完全に豚ふん臭はなくなった。鶏ふんでは、堆積15時間で65℃となり30時間続いた。pHは24時間で8.0から9.0となり、水分は48時間で20%が減少した。15時間で完全に鶏ふん臭は無くなった。酸敗臭がしており、カビが生えていた厨芥を用いた。堆積10時間から温度が上昇し始め、33時間で50℃となった。pHは堆積後から下り、4.8となった。水分は48時間で約10%が減少し、悪臭は48時間で消失した。大腸菌群は豚ふんでは10^8MPN/100gが、堆積18時間では完全に死滅した。鶏ふんでは、10^<10>MPN/100gが、堆積15時間で7.8×10^2MPN/100gに減少した。厨芥では、1.4×10^8MPN/100gが、48時間で1.6×10^3MPN/100gに減少した。各堆積時間毎に、大腸菌群を分離し、IMVIC系で鑑別した。堆積の直後は多種類いたが、品温及びpHが高くなるにつれ、E. coli Iのみが検出された。耐熱試験等の結果から60℃以上が数時間持続すれば大腸菌群は死滅することが分かった。
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