研究課題/領域番号 |
07263249
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
羽野 忠 大分大学, 工学部, 教授 (80038067)
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研究分担者 |
高梨 啓和 大分大学, 工学部, 助手 (40274740)
平田 誠 大分大学, 工学部, 講師 (20264327)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 水環境保全技術 / 独立栄養細菌 / 硝化 / 脱窒 / 生物膜法 / 産業廃棄物 / 埋立地浸出水 |
研究概要 |
地球環境へのインパクトを低減するため、従来の従属栄養細菌を用いた窒素除去プロセスに代わって独立栄養細菌を用いたプロセスを提案し、その処理特性を調べるとともに産業廃棄物埋立処分場からの浸出水処理への適用を試みた。試料として用いた浸出水は埋立終了後長期間経過しているためBODが非常に低く、独立栄養細菌による処理に適していた。 まず硝化菌付着活性炭カラムを用いた硝化操作について検討を行った。浸出水は硝化阻害を示すことが多いため、最初に活性炭による吸着・除去効果の可能性を回分式実験で調べた。活性炭を添加しない場合、浸出水の硝化速度は人口排水に較べて63%に減少したのに対して、活性炭を添加するとほとんど減少がみられなかった。したがって担体としての活性炭の有効性が認められた。カラムによる長期連続処理でも安定したほぼ完全な硝化が進行した。次に脱窒工程について検討を行った。まず反応機構を確認するため、硫黄粒子と菌体を半透膜で分離した系と共存させた系とで脱窒速度を比較した。その結果、硫黄粒子への菌体付着が活性維持に寄与していることが確認された。また、脱窒速度は硫黄粒子表面積に比例しており、硫黄粒子と菌体の良好な接触が高い脱窒速度を得る上で不可欠であった。硫黄粒子と石灰石とを充填したカラムによる長期間連続脱窒操作を行ったところ、人工排水とほぼ同じ処理速度が得られた。本法は、原油脱硫工程の副産物である硫黄粒子を用いることや脱窒のための有機物を必要としない点で地球環境へ与えるインパクトが小さいと考えられ、維持管理の容易さの点でも、従来適用が困難であった希薄窒素発生源への応用が期待できる。
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