研究課題/領域番号 |
07263252
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
小島 紀徳 成蹊大学, 工学部, 教授 (10150286)
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研究分担者 |
上宮 成之 成蹊大学, 工学部, 助手 (60221800)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 二酸化炭素問題 / 海洋 / 施肥 / エネルギー / 評価 / 砂漠 / 同化 |
研究概要 |
1.珪酸塩岩石の風化による二酸化炭素吸収 (1)原理 岩石の風化による二酸化炭素の吸収は、以下で示される。珪酸塩岩:CaSiO_3+2CO_2+H_2O→Ca^<2+>+2HCO_3^-+SiO_2(1) 炭酸塩岩:CaCO_3+CO_2+H_2O→Ca^<2+>+2HCO_3^-(2) (2)速度論的実験方法 二酸化炭素飽和水に粉末状岩石を加えた。恒温漕内で攪拌しながら、二酸化炭素を流した。一定時間後、一定量採取し、ICP-AES(京都光研製UOP-1 MKII)により主分元素の定量分析を行った。 (3)結果 窒素飽和水を用いた実験では終始陽イオンの溶出がみられない。二酸化炭素飽和水を用いた実験では、反応の初期の過程で多量の陽イオンの溶出がみられ、その後は安定した。仕込量、粒子径を変えた実験を行い、解平衡濃度近くあるいは全岩石が溶解するまで、表面積あたり(5〜8)x10^<-4>mol/m^2h程度の一定速度で溶出した。溶出後の試料についても、表面積あたりの速度には違いがなく、生成物の溶解速度への影響は小さかった。 (4)エネルギー評価 olivineの場合、粉砕に要する電力を火力発電所からの二酸化炭素発生量に換算すると21mg-CO_2/g-mineralとなり、二酸化炭素の吸収量、1200mg-CO_2/g-mineralの2%程度であった。珪灰石の場合には30μmの粉砕では10%程度となった。理想的にはこの数分の1になると期待される。 2.海洋施肥法による二酸化炭素吸収の可能性 (1)輸送エネルギー 一方散布、輸送に要するエネルギーは、港から500kmの場合に、100kmの半径に蒔いた場合でも二酸化炭素吸収量の0.4%程度と非常に小さい。 (2)下水汚泥を栄養源とする場合 肥料生産エネルギーは不要となるが、水分を含む。92.5%水分の汚泥の場合、吸収量の10%以上が輸送時に放出される。散布後の栄養塩の海洋での利用率は、本散布条件では約75%である。汚泥は脱窒によりPに比してNの含有量が小さく、P基準で同様の計算を行うと、効率は大幅に改善される。
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