研究課題/領域番号 |
07263259
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
石崎 寛治 愛知県がんセンター, 放射線部, 部長 (70111987)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | DNAミスマッチ塩基対修復 / 遺伝的不安定性 / ヒトがん細胞 / ヘテロデュープレックス |
研究概要 |
本研究ではヒト集団中のミスマッチ修復(MMR)活性に異常を示す集団を検出することを目的として、MMR活性測定系の確立を第一の目標として本年度の研究を行った。MMR活性の検出はM13ファージのヘテロディープレックスDNAを用いる方法に従って行うことにして、lacZ遺伝子内のDNA塩基配列が1塩基対のみ異なるものを用意した。その内一方はlacZ遺伝子の活性があるが他方は活性が無いように組み合わせた。一方のファージについては単鎖環状DNAを抽出し、他方のファージからは二重鎖環状DNAを精製した。二重鎖環状DNAを一カ所のみで切断する制限酵素で切断し、二重鎖線状DNAにし、単鎖環状DNAと混合した後高温で二重鎖を変性させた。この混合液を低温に戻しDNA鎖の焼き戻しを行うと1塩基のミスマッチを含むヘテロデュープレックスDNA(HD)が形成される。このHDを精製しMMRアッセイの基質とし、ヒト細胞抽出液と反応させた。MMRを受けるとミスマッチが修復されるのでそのDNAから出現するファージはどちらかの塩基配列に対応する形質を示すために、lacZ活性があれば青色のプラークを、活性が無ければ白色のプラークを作る。MMRを受けないとHDはそのまま残るので2種の塩基配列をもったファージの混合したプラーク、すなわち青、白混合プラークが形成される。反応の前と後の青白混合プラークの数を比較することによってヒト細胞抽出液中のMMR活性を測定できる。G:Gミスマッチを持つHDを基質としていくつかのヒト細胞株についてMMRを測定したところ、MMR活性を持つことが知られているHeLa細胞ではほとんどのHDが修復されたが、MMR関連遺伝子に異常を示すPA-1細胞では半数以下のHDしか修復されなかった。現在我々が樹立した食道癌細胞(KYSE)について解析を進めている。
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