研究課題/領域番号 |
07264201
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
野村 靖幸 北海道大学, 薬学部, 教授 (00034041)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 細胞死 / アポトーシス / Bcl-2 / MPP^+ / パーキンソン病 / SH-SY5Y細胞 / プロテインキナーゼC / プロテインキナーゼA |
研究概要 |
パーキンソン病(PD)は静止時振戦、無動症および筋固縮を主症状とする神経変性疾患であり、アルツハイマー病とともに重篤な老人性の脳疾患である。PD発症には、脳の黒質線条体系のドパミン(DA)含有神経細胞の変性とそれに伴うDA含量の減少が認められる。ドパミン神経細胞毒である1-methyl-4-phenylpyridinuim ion(MPP^+)はパーキンソン病類似症状を引き起こすことが知られている。MPP^+は細胞膜のDAトランスポーターを介してDA神経細胞に取り込まれ細胞死を引き起こすが、その細胞死がアポトーシスあるいはネクローシスであるか、さらに、その詳細な機序は何かが不明である。そこで、今回ヒト株化ニューロブラストーマSH-SY5Y細胞を用いてMPP^+による細胞死の機序について検討した。MPP^+は濃度依存的、時間依存的に細胞死のマーカーの一つである乳酸デヒドロゲナーゼの漏出(LDH leakage)を引き起こした。さらには、アポトーシスのマーカーであるDNA fragmentationも濃度依存的に引き起こした。一方、本細胞に内在的に発現するBcl-2(細胞死抑制蛋白質)はMPP^+処理により発現が増加した。この発現量の増加はプロテインキナーゼC阻害薬のスタウロスポリンの前処理によって抑制されたことから、MPP^+が内らかのリン酸化酵素の活性化を介し、Bcl-2発現を促進することが示唆された。なお、この細胞においてBcl-2の発現はプロテインキナーゼCにより促進され、プロテインキナーゼAにより、抑制されていることも見い出した。
|