研究課題/領域番号 |
07264209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
郭 伸 東京大学, 医学部(医), 講師 (40160981)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 神経細胞死 / グルタミン酸受容体 / 興奮性アミノ酸 / グルタミン酸トラントルポーター / 脊髄 / 非NMDA受容体 |
研究概要 |
グルタミン酸受容体を介する神経細胞死が筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患の病因に関わっているとする知見がある。その場合グルタミン酸受容体が持続的に興奮したときに神経細胞障害が生じるはずである。この目的のためにグルタミン酸を単独もしくはグルタミン酸トランスポーターブロッカーであるthreo-β-hydroxy-DL-aspartate(THA)とともに微小浸透圧ポンプを用いて持続的に脊髄くも膜下腔に投与し、その神経細胞障害作用を検討した。グルタミン酸またはTHAの単独投与では300nmol/hの投与速度でも脊髄に形態化をきたさなかったが、両者の同時投与ではおのおの100nmol/hの投与速度で後角優位の神経細胞障害を引き起こした。すなわち、トランスポーターの障害によりグルタミン酸の細胞内取り込みが阻害されると、細胞外液中のグルタミン酸濃度が上昇し細胞毒性を発揮するようになる。これは6-cyano-7-nitroquinoxaline-2,3-dione(CNQX、10 nmol/h)によって完全に防御されたが同用量のD(-)-2-amino-5-phosphonovaleric acid(D-APV)によっては影響を受けなかった。このことは、グルタミン酸による遅発性の神経細胞障害は主に非NMDA型グルタミン酸受容体を介するものであることを示している。グルタンミン酸受容体を介した神経細胞死は、従来急性のものが注目されていたが、遅発性神経細胞死にも関与していることは、慢性進行性の経過をとる神経変性疾患の病因を考えるうえで興味深い。
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