研究課題/領域番号 |
07264211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩坪 威 東京大学, 薬学部, 寄附講座教員(客員助教授) (50223409)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | Lewy小体 / パーキンソン病 / ユビキチン / 神経病理学 / 汎発生Lewy小体病 |
研究概要 |
Lewy小体(LB)の構成成分を生化学的に同定することを目標に、汎発性Lewy小体病(DLBD)大脳皮質から単離精製したLBを抗原としてモノクローナル抗体を作製した。昨年度までに報告した方法に従って、不連続ショ糖密度勾配遠心法で得られた粗LB画分を抗ユビキチン抗体(MAB1510)もしくは抗ニューロフィラメント抗体RM032でFITC蛍光ラベルし、セルソーター(Epics Elite,Coulter)で2回処理後、1%サルコシルで洗浄し、精製LB画分を得た。LB約200万個から70%蟻酸で抽出した約30μg相当の蛋白を1%SDS存在下でマウス足底部に免役後、膝窩リンパ節からハイブリドーマを作製し、粗LB画分スメア上のLBを陽性に染色するクローンを選択した。このうちの1クローン(LB112)はスメア及びエタノール固定凍結標本上でほぼ全てのLBを強陽性に染色したが、神経原線維変化(NFT)は弱く染まるのみであった。LB112は遊離型の単量体ユビキチンとはドットブロット、イムノブロット上で反応しなかったが、ポリユビキチン化リゾチームおよび純粋なポリユビキチン鎖と強く反応し、モノユビキチン化されたヒストンH2Aとは反応しなかった。これらの所見はLB112がポリユビキチン鎖特異抗体であることを強く示唆し、LBはポリユビキチン鎖を含むことが明らかになった。ポリユビキチン鎖は、分解シグナルとしてプロテアソームによって認識され、ポリユビキチン鎖を含む蛋白質は分解される。PHFのタウ蛋白に結合したユビキチンの70-80%が、プロテアソームによって認識されないモノユビキチンの形をとることが示されており、Lewy小体とPHFにおけるユビキチンの存在様式は異なることが示唆される。
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