研究課題/領域番号 |
07264221
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
赤池 昭紀 京都大学, 薬学部, 教授 (80135558)
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研究分担者 |
下濱 俊 京都大学, 医学部, 助手 (60235687)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | グルタミン酸 / 黒質 / 細胞死 / チロシン水酸化酵素 / ドパミン / MPP^+ / MPTP / NO |
研究概要 |
中脳黒質ドパミン(DA)ニューロン死における一酸化窒素(NO)の関与を明らかにする目的で、ラット胎仔由来培養黒質細胞を用いて、NO誘発神経毒性に対するMPP^+の作用を検討した。培養中脳細胞にグルタミン酸を短時間投与することにより、DAニューロンおよび非DAニューロンともに、遅延性の生存率低下が観察された。DAおよび非DAニューロンに対するグルタミン酸毒性はNMDA受容体拮抗薬のMK-801により抑制された。MPP^+を2日間投与することにより30μM以上の濃度で著明な神経毒性が誘発された。MPP^+毒性はDAおよび非DAニューロンの両者で観察されたが、DAニューロンの方が非DAニューロンよりMPP^+毒性を強く受けた。NOドナーのS-nitrosocysteine(SNOC)を短時間投与し、その後、SNOC不含液で3日間インキュベートすることにより、非DAニューロンの生存率は著明に減少したが、DAニューロンの生存率には変化は認められなかった。SNOC誘発毒性はヘモグロビンおよびスーパーオキシドジスムターゼにより抑制された。グルタミン酸の短時間投与はDAおよび非DAニューロンの両者に対して神経毒性が誘発したが、非DAニューロンに対するグルタミン酸毒性がNO合成酵素阻害薬により抑制されたのに対して、DAニューロンに対するグルタミン酸毒性はNO合成酵素阻害薬の影響を受けなかった。そこで、単独では神経毒性を誘発しない低濃度(1〜10μM)のMPP^+を2日間前投与したところ、DAニューロンにおいてNOドナーが濃度依存的な神経毒性を誘発するようになった。一方、非DAニューロンにおけるNOドナーの毒性はMPP^+の影響を受けなかった。以上の結果は、培養中脳細胞において、MPP^+はDAニューロンのNO毒性に対する抵抗性を選択的に減弱する作用を持つことを示す。したがって、MPP^+のグルタミン酸増強作用においてNOがキ-・ファクターとして働くことが示唆される。
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