研究課題/領域番号 |
07264232
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
北山 滋雄 広島大学, 歯学部, 助教授 (80177873)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ドーパミントランスポーター / パーキンソン病 / 選択的神経細胞死 / 神経伝達物質再取込み機構 / COS細胞遺伝子導入発現系 / 神経毒 / MPP^+ / アミノ酸点変異 |
研究概要 |
ドーパミントランスポーターのin vitroアミノ酸点変異により作成したミュータントトランスポーターをCOS細胞に発現させることによりその輸送活性を調べ、パーキンソン病誘発神経毒MPP+(1-methy-4-phenylpyridinium)に対するドーパミントランスポーターの構造機能相関を解析した。新規に対象としたのは第4、5膜貫通部位の極性アミノ酸残基チロシンである。第4膜貫通部位チロシンをアラニンに置換(Y251A)するとドーパミン(DA)取込み、MPP^+取込みにはほとんど影響せずコカインアナログのCFT結合を著明に抑制した。一方第5膜貫通部位チロシンのアラニン置換(Y271A)はいずれの取込み、結合とも著明に抑制した。しかしDA、MPP^+取込みのキネティクスをさらに詳細に検討するとY251Aでは親和性の上昇とともにVmaxの減少がみられ、Y271Aでは親和性は野性型と変わらずVmaxのみの減少が認められた。このことからこの両チロシン残基は共にトランスポーター輸送活性におけるトランスロケーション(輸送回転)に深く関与する可能性が示唆された現在これらチロシン残基をさらにフェニルアラニン、セリンに置換したミュータントトランスポーターを作成して機能解析を行っている。 輸送活性の可逆性に焦点を当てた前年度の研究より、予め負荷した[^3H]MPP^+のトランスポーターを介した細胞外への流出(逆輸送)が第7膜貫通部位serine350,353をalanineに点変異した7S-A2ミュータントで増加することを見出し、輸送のトランスロケーションの促進と共に、トランスポーターが細胞内にオリエンテーションされた状態でのMPP^+に対する親和性の変化の可能性を示唆した。本研究ではさらにこのPMM^+逆輸送に対する各種DA取込み阻害薬の効果について検討を加えた。予め細胞内に負荷した[^3H]DA、[^3H]MPP^+のトランスポーターを介した逆輸送はそれぞれ異なった時間経過と量的割合で起こる。特異的ドーパミン取込み阻害薬コカイン、GBR12935、ノミフェンシンは[^3H]DA遊離には影響せず、[^3H]MPP^+遊離のみを濃度依存的に阻害した。以上の結果はトランスポーターが細胞内に機能的に向いた状態での基質認識部位の相違の可能性とその部位に対する取込み阻害薬の作用様式の違いを示唆している。現在これに関係する可能性のあるアミノ酸残基を特定し置換した変異トランスポーターを作成中である。
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