研究課題/領域番号 |
07264245
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
篠崎 温彦 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 薬理研究部門, 研究員 (20109945)
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研究分担者 |
石田 美知子 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 薬理研究部門, 研究員 (90124437)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 神経細胞死 / グルタミン酸 / paraplegia / 筋萎縮性側索硬化症 / 脊髄運動神経細胞 |
研究概要 |
大量のグルタミン酸を生まれた直後から連日仔ラットに皮下注すると、運動ニューロンの脱落を伴う下肢筋の萎縮・発育不全が起こる。このラットが筋萎縮性側索硬化症(ALS)の動物モデルになり得るか否かを検討した。生まれた直後のグルタミン酸単回投与群において、尾の付け根までほとんど痛覚が消失しているが尾は動かせるものがしばしば観察された。後肢対麻痺は殆どグルタミン酸連続投与5-7回目後に発症し、腹部から後肢の体表面の痛覚がほとんど消失していた。中には片側の後肢だけが麻痺しているラットや、麻痺が起きていても足のつま先だけは動くラットなどもいた。連続投与の中止後、つまり生後7日-2週間後では、グルタミン酸を投与したラットのすべてが、食餌を特に大量に摂取したわけではないのに徐々に肥満状態となった。後肢麻痺ラット中には失禁を伴うものもおり、後肢筋の萎縮が起こっており、関節の拘縮が認められた。後肢麻痺ラットでは、腰髄から下部の前根が異常に細くなっており、脊髄の細胞構築が乱れ、運動ニューロンが脱落・破壊されてその総数が減少し、グリオーシスが認められた。後根や後根神経筋細胞に異常は認められなかった。L3-L5の後根を電気刺激して、対応する前根から脊髄反射電位を記録してみると、その電位は僅かに認められる程度にまで減弱していた。視床下部や網膜にも異常が認められ、ラットの視覚は衰えており、また脂肪肝は脂肪代謝異常を予想させた。後肢に外観上異常が認められないラットにおいても脊髄下部の発達は悪く、仙髄や尾髄の萎縮が認められた。現在、発症率はせいぜい4%程度である。仔ラットの激しい痙攣により、母ラットは異常に興奮すると思われ、時には仔ラットを食べてしまうこともある。母ラットの状態をいかにうまく保つかが発症率上昇に重要である。
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