研究課題/領域番号 |
07265201
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
増田 隆一 北海道大学, 理学部, 助手 (80192748)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 分子系統 / ミトコンドリアDNA / イリオモテヤマネコ / ツシマヤマネコ / イタチ / ムササビ / モモンガ / 進化 |
研究概要 |
(1)わが国に分布する2種のヤマネコの進化・起源を明らかにすることを目的とし、本年度はもう一方のヤマネコであるツシマヤマネコについて分子系統学的解析を行った。ミトコンドリアDNAの12SrRNA遺伝子およびチトクロームb遺伝子の部分領域について塩基配列を決定し、これまでに得られたイリオモテヤマネコならびに他のネコ科動物種のデータと比較解析した結果、ツシマヤマネコはイリオモテヤマネコおよびアジアに広く分布するベンガルヤマネコに極めて近縁であった。塩基置換から推定したツシマヤマネコとベンガルヤマネコの分岐年代は約10万年前と推定され、これは対馬がアジア大陸から分離した地質学的年代とほぼ一致した。以上の結果から、日本産ヤマネコ2者はベンガルヤマネコの地理的隔離集団であることが裏付けられた。 (2)ミトコンドリアDNA内のD-ループ領域の解析を行い、ニホンイタチとシベリアイタチの遺伝的分化が大きいことを確認した。また、屋久島、種子島などの島個体群を含め、ニホンイタチの地域変異を検出した。さらに、韓国から西日本に帰化したと考えられるシベリアイタチは、対馬在来のシベリアイタチよりもやはり韓国産に近縁であることが明らかとなった。 (3)リス科齧歯類において、特有の被膜構造をもつムササビおよびモモンガ類の進化が単系統かあるいは多系統であるかをミトコンドリアDNAの分子系統から検討している。アジアおよび北アメリカに分布する限られた種について、これまでに分析した限りでは、単系統が支持された。今後、さらに分析種数を追加し、ムササビ・モモンガ類の系統進化、ならびに飛躍行動を獲得するに至ったかれらの進化過程を考察する予定である。
|