研究課題/領域番号 |
07265211
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三浦 智行 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (40202337)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 分子進化 / レトロウイルス / エイズ / 白血病 / HIV / HTLV |
研究概要 |
1)HIVの分子進化 昨年に引き続き中央アフリカのカメルーンの諸地域においてエイズが疑われる患者より採血しウイルス分離及びその遺伝子解析を進めた。解析した株数が増えたことによりHIVのサブタイプの地域性が判ってきた。すなわち、東南部の農村部ではアフリカ一般によく見られるA型が多く、中央アフリカに割と限局して見られるD型その他の中間タイプやグループOなどはむしろ首都ヤウンデや西の都市ドアラ近郊に多く見られた。また、カメルーンには、様々なサブタイプのウイルスが存在する事により同一患者から2つのサブサイプが検出されるという重感染例が以外と多い(少なくとも10%)ことも判ってきた。これらの結果は、今後HIVの起源と進化を解析する上で重要である。 2)HTLVの分子進化 ロシアのイラン国境地帯(トルクメニスタンとグルジア)の住民とサハリン少数民族のHTLV-1について遺伝子系統解析を行った結果、全てのHTLV-1がサブサイプA型に属することが明らかになった。日本はサブタイプのA型とB型とが存在しているが、サハリンの分離株はサブタイプA型の中でもアイヌ株よりは沖縄株に近かった。トルクメニスタンからの分離株はサブタイプA型の中で2つに分かれ、一つはイランにいたマサデイ・ユダヤ人のウイルスともう一つはグルジアからのものに近かった。我々はこれまでの系統解析でHTLV-1の分布と系統差が過去の人類の移動に関係していると考えてきた。ロシアから分離されたHTLV-1はイラン、インド、日本、カリブ海、南米などの広い地域に見られるサブタイプA型であったが、このサブタイプが今まで考えてきたよりもさらに広い分布を示すことも明らかになった。
|