研究課題/領域番号 |
07265214
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
七田 芳則 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60127090)
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研究分担者 |
寺北 明久 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30212062)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 視覚 / 視細胞 / 視物質 / G蛋白質 / 遺伝子クローニング / 分子進化 / シグナル伝達 / ホタテガイ |
研究概要 |
種々の動物に存在する視細胞は「繊毛型」と「感桿型」とに大きく分類され、前者の代表例は脊椎動物の桿体と錐体であり、後者に属するのは節足動物や軟体動物に見られるような視細胞である。ところが、軟体動物の一種であるホタテガイは繊毛型視細胞と感桿型視細胞の両方をもつ。そこで、ホタテガイの両視細胞に存在する視物質とG蛋白質の遺伝子を同定し、既知の光情報伝達形とどのように異なっているのかを検討した。そのため、ホタテガイ眼由来cDNA(数百匹分)およびゲノムDNAを調製し、これを鋳型としてPCRを行い、視物質およびG蛋白質の各遺伝子断片を増幅することに成功した。 視物質をコードしていると思われる遺伝子断片は2種類得られ、一方はイカ・タコの視物質と高い相同性を示し、分子系統樹上でもこれらの視物質とクラスターを形成した。もう一方(Scallop-2)は脊椎動物および無脊椎動物の視物質と低い相同性(40%程度の一致度)しか示さず、分子系統樹においても、これまでにアミノ酸配列の決定された視物質とはラクスターを形成せず、第3のクラスターを形成する可能性が大きいと考えられた。G蛋白質については現在配列の異なる2種類の遺伝子を同定することに成功している。 これまでの知見から、視物質の分子系統樹におけるクラスターの仕方と情報伝達機構は密接な関係にあると考えられている。したがって、Scallop-2視物質が係わる光情報変換系は、既知のものとは異なる可能性が示唆された。
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