研究課題/領域番号 |
07265222
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大野 素徳 九州大学, 理学部, 教授 (30038434)
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研究分担者 |
小川 智久 九州大学, 理学部, 助手 (80240901)
下東 康幸 九州大学, 理学部, 助教授 (00211293)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | マムシ科ヘビ / 毒腺アイソザイム / ホスホリバーゼA_2 / TATAボックス結合タンパク質 / セリンプロテアーゼ / 遺伝子 / cDNA / 加速進化 |
研究概要 |
ハブ(徳之島)及びグリーンハブ(台湾)の毒腺ホスホリパーゼA_2(PLA_2)アイソザイム(12種)は、相同な一次及び高次構造をもつが、それぞれが独立した生理機能(筋壊死、筋収縮、浮腫形成、細胞膜脱分極作用など)をもつ。PLA_2アイソザイムの遺伝子の塩基配列の相互比較の進化額的数理解析は、これらの遺伝子が加速進化をしてきたことを示した。本研究の目的は、(1)PLA_2アイソザイム遺伝子の加速進化が、成熟タンパク質領域の速い進化によるのか、或いは非翻訳領域(イントロン)の遅い進化によるのか、のいずれであるか、及び(2)他の毒腺アイソザイム系でも加速進化が普遍的に起こっているかどうか、を調べることである。 (1)PLA_2アイソザイム遺伝子と通常の遺伝子であるTATAボックス結合タンパク質(TBP)遺伝子のイントロンの進化速度を比較した。ハブとグリーンハブのTBP遺伝子をクローニングして塩基配列(約17000bp)を決定した。両TBP遺伝子の比較におけるイントロンの座位あたりの塩基の相違度(K_N)はPLA_2アイソザイム遺伝子のイントロンのK_N値とほぼ同じであった。これは、PLA_2アイソザイム遺伝子と通常遺伝子のイントロンの進化速度が同じであることを示し、PLA_2アイソザイム遺伝子の加速進化は成熟タンパク質領域のみの加速進化によることが明らかとなった。 (2)ハブ及びグリーンハブ毒のセリンプロテアーゼアイソザイムをコードする8種のcDNAをとり、塩基配列を決めた。非翻訳領域に比べて翻訳領域の相同性が低く、PLA_2アイソザイムcDNAと同じ傾向を示した。同義座位あたりの塩基の相違度(K_S)に対する非同義座位あたりの塩基の相違度(K_A)の比はおしなべて1より大きく、セリンプロテアーゼアイソザイム遺伝子が加速進化していることがわかった。毒腺アイソザイム系の加速進化は普遍的と考えられる。
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