研究課題/領域番号 |
07266202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
友池 仁暢 山形大学, 医学部, 教授 (90112333)
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研究分担者 |
加藤 修一 山形大学, 医学部, 助手 (90260463)
熱海 裕之 山形大学, 医学部, 助手 (60151081)
山口 清司 山形大学, 医学部, 講師 (30239892)
中村 秀範 山形大学, 医学部, 講師 (30240675)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | サイトカイン / TNF-α / TNFα受容体 / 容積負荷 / β-受容体 |
研究概要 |
1.心不全とサイトカイン 腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor alpha; TNFα)は炎症反応に関与するサイトカインであるが、循環調節、心筋のリモデリング、心筋細胞機能の抑制に重要な役割を担っていることが知られている。心不全の症例では血清中TNFαの増加が認められ、臨床病態の発現との関連が示唆されている。TNFαの作用を抑制する蛋白の存在も確認されており、それらはTNFα受容体の細胞外ドメインの遊離されたものである。本研究では心不全の病態生理とTNFα受容体細胞外ドメイン断端(sTNF-RI&sTNF-RII)末梢血中濃度との関連を検討した。 心不全症例66例、心疾患の無い症例22例について検討した。心不全の重症化とともにsTNF-RI&sTNF-RIIは有意に増加した。拡張期特性の障害やANP、BNP、ノルエピネフリン濃度の増加とsTNF-RI&sTNF-RIIは良く相関したが、収縮期特性の変化とは関連を示さなかった。したがって、sTNF-RI&sTNF-RIIは循環調節変化を反映すると考えられた。 2.適応と心不全の分化についての実験的研究 日本白色家兎を麻酔下に清潔手術を行い開胸し大動脈起始部に血流プロープ(トランシット計測)を装着した。手術から回復後、外頚動静脈間に側々吻合を設けた。心拍出量は短絡形成後徐々に増加し約4週間でプラトーに達した。そこで、容量負荷作製後の血行動態、収縮性調節系の変化、心肥大・拡張を明らかにするために、短絡路形成から4週目と12週目の家兎を実験に用いた。4週以降、体血圧と心拍出量は安定しているにも拘わらず、拡張末期左室圧は4週より12週では有意に増加した。心臓の内腔拡大も12週例で顕著であった。β受容体の機能は4週から既に低下を見た。本モデルは心肥大と拡大の分化機序を解析する上でユニークである。現在、受容体の結合試験、遺伝子発現調節について検討中である。
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