研究課題/領域番号 |
07266219
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
柴田 洋三郎 九州大学, 医学部, 助手 (90037482)
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研究分担者 |
西井 清雅 九州大学, 医学部, 助手 (20264020)
稲井 哲一郎 九州大学, 医学部, 助手 (00264044)
倉岡 晃夫 九州大学, 医学部, 助手 (30253412)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 刺激伝導系 / コネキシン / 洞房結節 / 房室結節 / プルキン工線維 / ヒス束 / コネキシン40 / コネキシン45 |
研究概要 |
心臓の細胞間刺激伝導通路を構成するギャップ結合は、connexin蛋白六量体が細胞間隔で対合し親水性チャネルを形成する。構成蛋白Cxファミリーは心筋ではCx43、Cx40、Cx45が検出され、これらはそれぞれ45pS,170pS,25pSほどのunitary conductanceをしめす。本研究計画ではこれら各種Cxに対する特異的抗体およびcDNA probeを用いて、ラット心筋における分布と生後発達の経過を追跡した。 成熟心筋における分布特異性:昨年の発表後さらに検索を進め、ラットでの分布をほぼ確定した。即ち洞房結節(SA node)では、Cx45が弱く発現し、心房筋ではCx43が主でCx45を伴う。房室結節AV nodeでは再びCx45のみで占められる。ヒス束(His bundle)は起始がCx45で、次第にCx40の標識が強まる。分枝(Bundle branch)はCx40が強く、Cx45とCx43も共存し、左右差はない。プルキンエ線維Purkinje fiberはCx40が主体でCx43も混在する。心室筋ではCx43が主体でCx40が混在する。心筋組織のRT-PCRではCx45、Cx40、Cx43のほか、血管内皮由来と思われるCx37が検出された。未知の新しいCxはこれまで検出できていない。 生後変動:出生直後は、Cx40が心内膜側に強く、心外膜にむかうにつれて弱くなる傾向があった。Cx45も弱いながら同様の傾向を示した。一方Cx43は全層にほぼ均等な弱い点状の分布を示した。Western BlotでもCx40は強く広いbandを示した。Cx43は新生児では1本、成獣では2本のbandを泳動mobilityの異なる位置にみとめ、リン酸化状態が異なることを示唆する。Cx45は成獣・新生児ともに同様な標識をしめした。Northern Blotでは出生直後ではCx40が検出され、Cx43は1週間後から発現が強くなった。 以上の結果から、出生直後のラット心筋では、Cx40がdominantなconnexinとなってギャップ結合が構成されていると推測された。
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