研究課題/領域番号 |
07267201
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
清水 隆 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50113569)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 卵表層 / アクチン細胞骨格 / 収縮環 / 分裂装置 / プロテインキナーゼC |
研究概要 |
環形動物イトミミズの卵表層におけるアクチン繊維束(収縮環)の形成機構を、分裂装置からの情報が必要な表層(極体形成)とそれを必要としない表層(赤道部の溝形成)について解析した。。溝形成が始まる前の赤道部表層ではアクチン繊維が網目状に構成されているが、溝形成が始まるとともにその底に対応した部分ではアクチン繊維がすでに束を形成していた。その周辺では前の時期に比較してアクチン繊維の密度が減少していた。アクチン繊維束はすでに表層に存在していた繊維が再構築することによってつくりだされる構造であると考えられる。一方、表層アクチンネットワークの維持には活性型のrho p21が必要であることがADP-リボシルトランスフェラーゼC3顕微注入の実験から示唆された。即ち、C3を注入すると、発生時期に関わらず表層アクチン繊維はその大部分が消失した。溝形成およびアクチン繊維束形成に対する蛋白質リン酸化酵素の阻害剤の影響を調べた。ML-7(ミオシン軽鎖キナーゼ阻害剤)はいずれの時期にも溝形成のみならずアクチン繊維束形成も阻害したのに対し、HA1004(環状ヌクレオチド依存性プロテインキナーゼ阻害剤)はまったく阻害効果を示さなかった。ところがH-7(C-キナーゼ阻害剤)は溝形成を阻害したが、極体形成そのものにはまったく影響しなかった。このことはイトミミズ卵では分裂装置が関与する場合、アクチン繊維の再構築がC-キナーゼ非依存的に進行することを示している。一方、赤道部での溝形成をもたらす表層アクチン細胞骨格の形成と再構成はC-キナーゼに依存すると考えられる。このことはホルボールエステルPMAによって卵赤道部での表層アクチン再構成が特異的に誘導されたことからも示唆される。
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