研究課題/領域番号 |
07268204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片山 栄作 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50111505)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1995年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 急速凍結電子顕微鏡法 / ディープユッチレプリカ法 / イノシトール3燐酸受容体 / ライアノジン受容体 / 細菌べん毛モータ / Cリング / 視差測定 / 3次元再構成 |
研究概要 |
本研究は、細胞内シグナル伝達に関与する蛋白質複合体の細菌内における生理的構造および各種の機能状態におけるその構造変化を、高い時間・空間分解能をもつ急速凍結フリーズレプリカ電子顕微鏡法により捉えるとともに、新しいアルゴリズムを用いたコンピュータ画像解析によりそれらの3次元像を再構成することを目標としている。代表者は昨年度までに、細胞内Ca^<2+>-チャネルを形成することで知られるライアノジン受容体およびイノシトール3燐酸受容体の高分解能のレプリカ像を得ており、いよいよそれらの3次元再構成にとりかかろうとしている。しかしながら、本研究で初めて得られた後者の像は当初予想されたよりもはるかにサイズが小さかったため、これまで開発してきたアルゴリズムを改良して更に精度を上げることが必要と考えられ、現時点ではまだとりかかれない状況である。そこで今年度は、これまで並行して実験を進めて来たバクテリアべん毛モータの膜内における構造の解析に同じアルゴリズムを適用し、細胞膜を貫通するこの構造物の外側と内側の構造を決めることにした。まず、それぞれの遺伝子産物を大量発現した各種突然変異体や、構造物から単離したそれぞれの部品の分画を材料としてフリーズレプリカ法で観察し、傾斜観察法を用いてそれぞれの構造体を同定することに成功した。この際、細胞内の大きなリング構造の中心部にこれまで記載されたことのない新たな構造を検出し、それをC-ロッドと命名した。これはべん毛を構成する一連の蛋白質群を細胞外へ輸送するための重要な役割を果たす構造物と考えられ更に追求を重ねている。次に細胞内外の分子構築物の各部分のサイズを計測し、そのデータを基に3次元モデルを再構成した。市販のソフトウェアを用いてモデルの周囲から照明を当てた像のシミュレーションを行い、それを実際のロータリーシャドゥイング像と比較することでモデルの妥当性を検証した。
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