研究課題/領域番号 |
07268212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐々木 卓也 大阪大学, 医学部, 助手 (40241278)
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研究分担者 |
白瀧 博通 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (90249962)
高井 義美 大阪大学, 医学部, 教授 (60093514)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | C2様領域 / Rabphilin-3A / Doc2 / Ca^<2+> / シナプス小胞 / 神経伝達物質 / アンカリング蛋白質 / 機能領域 |
研究概要 |
私共の研究室では、2個のC2様領域を有する新しい蛋白質を2つ見い出し、それぞれRabphilin-3AとDoc2と命名している。これらの蛋白質は、シナプス小胞に局在し、そのC2様領域でCa^<2+>リン脂質に結合することから、神経伝達物質の放出においてCa^<2+>センサーとして機能している可能性が高い。Rabphilin-3Aは、C末端側のC2様領域以外に、N末端側にRab3A結合領域を有している。一方、Doc2は、C末端側にC2様領域を有しているが、N末端側にRab3A結合領域を有していない。また、どちらの蛋白質も膜貫通領域を有していないが、本年度の本研究で、Rabphilin-3Aは、N末端側でシナプス小胞上のアンカリング蛋白質に結合することによって、シナプス小胞に結合していることを明らかにした。したがって、Doc2にもシナプス小胞結合領域が存在し、Doc2は、そこを介して、シナプス小胞上のアンカリング蛋白質に結合していると考えられる。さらに、本年度の本研究で、Rabphilin-3AのN末端側またはC末端側のリコンビナント蛋白質をヤリイカの巨大シナプスにマククロインジェクションすると、神経伝達物質の放出が抑制されることを明らかにした。また、Rabphilin-3AやDoc2のN末端側またはC末端側の遺伝子をヒト成長ホルモン(GH)の遺伝子と共にPC12細胞に強制発現させると、高K^+刺激によるCa^<2+>依存性のGHの分泌が抑制されることを明らかにした。これらの結果から、Rabphilin-3AやDoc2はいくつかの機能領域に分けられ、各々の機能領域でそれぞれ特異的な蛋白質と結合し、蛋白質一蛋白質相互作用により神経伝達物質の放出を制御している可能性が示唆された。このように、本年度の本研究は予想以上に進展し、当初の目的はほぼ完全に達成することができた。
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