研究概要 |
我々はサイトカイン受容体からのシグナル伝達を解明するためエリスロポエチン(EPO)受容体を介して初期応答遺伝子を検索し、SH2ドメインを有する新規分子CISおよびマウス・オンコスタチンM (OSM)をクローニングした。CISはチロシンりん酸化されたEPO受容体やIL3受容体と強く結合しその機能を調節した。CISおよびOSMはEPO, IL2, IL3, GM-CSFで誘導されたがG-CSF, IL6, SCFなどでは誘導されなかった。CISおよびOSMのプロモーター領域には転写開始部位付近に複数のGAS(インターフェロンγ活性化部位)様配列が存在しサイトカインによる転写促進に必須であることがわかった。COS細胞ではこれらのプロモーターはSTAT5とEPO受容体の共発現によってEPO依存性に活性化された。STAT5は多くのサイトカインで共通に活性化されることからCISおよびOSMの転写調節にSTAT5が関与することが強く示唆された。しかしCISとOSMの誘導の時間変化などは異なっており、STAT5以外の要素も関与するものと考えられる。
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