研究課題/領域番号 |
07272103
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石川 隆俊 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30085633)
|
研究分担者 |
中別府 雄作 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (30180350)
鈴木 友和 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (20028517)
横崎 宏 広島大学, 医学部, 講師 (10200891)
秋山 公祐 岡山大学, 医学部, 助手 (30222540)
清水 憲二 岡山大学, 医学部, 教授 (10037286)
|
研究期間 (年度) |
1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
101,400千円 (直接経費: 101,400千円)
1997年度: 34,000千円 (直接経費: 34,000千円)
1996年度: 33,400千円 (直接経費: 33,400千円)
1995年度: 34,000千円 (直接経費: 34,000千円)
|
キーワード | ミューテーター遺伝子 / 突然変異上昇 / 遺伝子多型 / 多型タンパク不安定性 / replication error / hMSH3 / E2F4 / 遺伝子変異 / DNA複製 / DNA修復 / ミスマッチ修復 / MTH1遺伝子 / メチルトランスフェラーゼ / ヒト腫瘍 / APエンドヌクレアーゼ |
研究概要 |
細胞には自然突然変異を抑える10種以上の遺伝子群が存在する。これらのミューテ-タ遺伝子の異常が自然突然変異率の上昇を来たし、ある種の癌が高頻度に発生することが予想される。人体腫瘍についてミュテーター遺伝子の異常の検索を行うことを目的とし、3年間の研究により以下の成果が得られた。石川らはO^6-メチルグアニン修復酵素MGMT遺伝子では、若年者胃癌での検索からcodon160にアミノ酸変化(Gly→Arg)を伴う多型を見いだし、この変異はによりベンジルグアニンに非感受性となることが報告された。また、鈴木らは日本人一般集団ではV1(codon84Leu→Phe)、V2(codon65Trp→Cys)、V3(codon180Gua→Ade)の遺伝子多型が存在し、V2MGMT蛋白は極めて不安定であり、MGMT活性の個体差の一因であることを見いだした。検索を行った限り、腫瘍での遺伝子変異は無かった。島田らにより単離されたミスマッチ修復遺伝子hMSH3で、折茂らは造血器悪性腫瘍60%で発現の消失ないし低下が認められることを見いだした。また、清水、折茂らはmicrosatellite instabilityを示した大腸癌20例中12例においてエクソン7(A)8リピートでframe shiftを認め、さらに清水らが大腸癌で変異を発見したE2F4の3塩基リピート変異がその内の9例に観察されたことからhMSH3遺伝子変異がE2F4遺伝子変異を誘発することで癌化する可能性が示唆される。MTH1蛋白はヌクレオチドプール中の8-oxo-dGTPの浄化を行う。中別府らは肝癌104例、肺癌186例、健常人400例について、また、石川らは乳癌、大腸癌、胃癌、胃ポリ-プ、腎癌、肝芽腫でMTH1遺伝子変異の検索を行い、codon83に2つの対立遺伝子codon83(Val→Met)の多型を認めた。多型のホモ接合体頻度は健常人に比べ肝癌患者及び肺癌患者で高い傾向があり、熱不安定性を示すが多型では発現mRNAのsplicing variantの割合が変化し、連鎖不均衡が生じているためであることが明らかになった。また、石川らは肝芽腫1例ではじめて癌部での体細胞変異(codon72、TTC→TCT)を認めた。中別府らはMTH1発現は細胞増殖の盛んな胸腺、精巣、胎児組織で高く、増殖刺激を与えた末消リンパ球で転写促進が起こることを示した。また、癌組織においても石川らは食道癌部で正常部に比べ、発現上昇していることを示した。
|