研究課題/領域番号 |
07272109
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
森 道夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00045288)
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研究分担者 |
鈴木 和夫 千葉大学, 薬学部, 教授 (90109918)
榎本 克彦 秋田大学, 医学部, 教授 (20151988)
杉山 俊博 秋田大学, 医学部, 教授 (00127242)
守内 哲也 北海道大学, 医学部, 教授 (20174394)
吉田 廸弘 北海道大学, 理学部, 教授 (60001765)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
18,500千円 (直接経費: 18,500千円)
1995年度: 18,500千円 (直接経費: 18,500千円)
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キーワード | 肝炎 / 肝がん / 発がんプロモーター / 高発がん遺伝子 / 酸化的DNA損傷 / がん抑制遺伝子 / 細胞周期チェックポイント調節因子 / ヒト肝がんモデル動物 |
研究概要 |
肝がんは日本人に増え続けている予後の悪い悪性腫瘍の一つで、21世紀初頭には胃がんを抜くと予測されている。日本人肝がんの特徴は、約80%が慢性肝炎・肝硬変を母地にして発生することであるが、これらの慢性肝障害が、肝発がんにどのような分子機構で、いかなる作用を及ぼしているかは明らかでない。日本で発見され研究が進められたLECラットは、銅蓄積による慢性肝障害を伴って全例に肝がんを発生する格好のモデル動物である。LECラットを用いて、肝炎の肝発がんに及ぼす影響と、肝発がんの分子機構を解析した。その結果、 1.肝炎がイニシエーションを受けた細胞を増殖させ、強力な肝発がんプロモーターとして作用すること、2.その分子機構として、銅蓄積による酸化的DNA損傷の結果、細胞周期チェックポイント遺伝子p53、p21が発現し、正常肝細胞にGl arrestが起こること、3.LECラットには常染色体劣性遺伝する肝炎遺伝子以外に、発がん高感受性遺伝子が存在し、イニシエーションを受けた細胞が肝炎に伴って産生されるHGFに反応して選択的に増殖することを明らかにした。また、4.Cu、Zn-MT(メタロチオネイン)がanti-oxidantとして働くのに対して、Cu-MTがヒドロキシラジカルを発生し酸化的DNA損傷を起こすこと、5.LECラット肝がんに第10染色体の部分欠損、第1染色体の増幅が見られることを明らかにした。
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