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急性骨髄性白血病のプロトオンコジン、PEBP2βの機能-gene targettingによる解析-

研究課題

研究課題/領域番号 07272205
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関東北大学

研究代表者

仁木 賢  東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (60241626)

研究分担者 佐竹 正延  東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (50178688)
研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1995年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
キーワードターゲティング / 転写因子 / 急性骨髄性白血病 / プロトオンコジン
研究概要

A.研究目的
転写因子PEBP2はDNA結合能を有するα、及びαとヘテロダイマーを形成し、そのDNA結合能を促進するβの2つのサブユニットから成る。我々は、これまでに、αサブユニットをコードするマウス遺伝子としてPEBP2αA・αB・αCの3つの関連遺伝子、βサブユニットをコードするPEBP2β遺伝子を単離し、その構造・機能を解析してきた。PEBP2αは、Tリンパ球で強く発現しており、かつT細胞抗原受容体(TCR)遺伝子等のTリンパ球特異的な発現に関与していることが知られている。また、ヒト急性骨髄性白血病(AML)でt(8;21)(q22;q22)の相互転座、およびinv16(p13;q22)の逆位のみられる型で、転座点に位置する遺伝子が単離、報告されたが、それらは、各々マウスのPEBP2αB、PEBP2β遺伝子に対応することが明らかになった。すなわち、転写因子をコードするPEBP2α、β遺伝子ともにAML発症のプロトオンコジン候補であることが明らかになり、PEBP2遺伝子は、造血幹細胞、特にTリンパ球、骨髄球系の増殖、分化過程において機能していることが強く示唆された。そこで本研究では、AML発症のプロトオンコジンであるPEBP2β遺伝子の欠損マウスを作出し、その表現型を解析することにより、骨髄細胞の分化・増殖・白血化における転写因子PEBP2の機能を明らかにすることを目的として実験を行った。
PEBP2β遺伝子の第一エクソンを欠失するようにNeo遺伝子をリプレースメントし、ネガティブセレクションのためにDT-A遺伝子をつないだターゲティングベクターを構築しES細胞(J1)にエレクトロポレーションにて導入した。G418セレクションにて生き残った326クローンをPCR法にてスクリーニングし、さらにサザンブロティング法にて確認し、相同組換え体を1クローン同定することができた。次にこの相同組換え体のES細胞をC57BL/6JマウスのBlastcysにインジェクションし、このBlastcystを偽妊娠状態にしたICRマウスの子宮内に移植することによりキメラマウスを得た。さらにこのキメラマウスとC57BL/6Jマウスのかけ合わせにより得られた仔マウスをPCR法ならびにサザンブロッティング法により解析し、ヘテロ接合体マウスの作出が確認された。現在、ヘテロ接合体マウス同士のかけ合わせを行い、ホモ接合体マウスを得ようとしているところである。
C.考察
今後の方針としては、以下の点に留意して、PEBP2β遺伝子欠損マウスの表現型を解析する。
1)PEBP2β欠損細胞中のPEBP2α蛋白の、DNA結合能・転写活性化能を、PEBP2β(+)正常細胞と比較する。
2)PEBP2β欠損細胞における、種々の遺伝子発現につき、その異常の有無を検索する。
3)遺伝子欠損マウスにおける、骨髄細胞の分化能および増殖能の異常の有無を検討する。
以上によりPEBP2βの欠損が、転写因子PEBP2の機能にどの様な変化をもたらし、標的遺伝子発現の調節が脱制御され、その結果、骨髄細胞の分化・増殖能にどの様な異常が出現するのかを明らかにしたいと考えている。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Satake,M.: "Expression of the runt domain-encoding PEBP2α genes in T cells during thymic development." Mol.Cell.Biol.15. 1662-1670 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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