研究課題/領域番号 |
07272217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
森 秀樹 岐阜大学, 医学部, 教授 (70021433)
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研究分担者 |
杉江 茂幸 岐阜大学, 医学部, 助教授 (60187648)
吉見 直己 岐阜大学, 医学部, 講師 (30166996)
田中 卓二 岐阜大学, 医学部, 助教授 (40126743)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ボンベシン / azoxymethane / 大腸 / プログレッション / リンパ節転移 / K-ras / p53 / ラット |
研究概要 |
60匹のWistar雄ラットを二群に分け、それぞれにAOMを週一回7.5mg/kgの濃度にて皮下注射を10週にわたり行った。一群にやAOMに加えて、ボンベシン40μg/kgを週三回皮下注射を実験開始から行い、30週にて屠殺を行った。大腸含む消化管全体の観察と腹腔内リンパ節および肝・肺を詳細に検討した。腫瘍の一部は液体窒素にて凍結保存を行った。 実験期間が30週とやや短かったためか、AOM単独群では11/29(38%),全13個の腫瘍発生頻度であり、AOMとボンベシン投与群では18/31(58%)、全20個であった。しかしながら、これらの発生頻度にはAOMとボンベシン投与群でややプロモーション効果がみられるものの二群間に統計的な有意差は認めなかった。また、AOM単独群でのリンパ節等の転移率は3/29(10%)であり、AOMとボンベシン投与群では5/31(16%)でやはり、ややプログレッション効果を認めるものの統計的な有意差は認めなかった。また、筋層までの浸潤を見る腫瘍の頻度ではAOM単独群が5/13(38.5%)、AOMとボンベシン投与群が12/20(60%)であった(有意差無し)。 今回の本研究結果は30週間と比較的短期間での大腸癌発生とその転移を起こさせるモデルとその癌遺伝子レベルでのメカニズムを見ようとしたものである。しかしながら、in vivoの実験系としては比較的短期の期間によるモデルであったためか、統計的な有意差を認めず、ボンベシンのプログレッション効果ははっきりしなかった。しかし、以外にもAOMの頻回投与がプログレッション効果が比較的強く見られ、比較的単純な実験系が作成できるものと考えられた。 尚、現在、上記にて得られた腫瘍におけるK-rasやp53の点突然変異について検討中である。予備実験のデータであるが、k-rasで通常のAOM投与(1〜3回)に比べ、点突然変異の頻度が多く見られるようで、特に転移巣でのよく認めるようであり、こうした癌遺伝子の変異が転移能に関わる可能性が考えられる。
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