研究課題/領域番号 |
07272226
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
釣本 敏樹 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (30163885)
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研究分担者 |
白髭 克彦 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (90273854)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1995年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | DNA複製 / 細胞周期 / PCNA / Cipl / Wafl |
研究概要 |
細部増殖制御因子であるp21蛋白質が、細胞内で複製因子PCNAと結合していることが、細胞増殖に対しどのような機能を持つかは、まだ十分理解されていない。そこでp21蛋白質の結合とPCNAの機能の関連を明らかにするため、以下のようにPCNAの変異体を作製し、この蛋白質の機能ドメインとp21結合部位の検索を行った。 1.PCNAの複製因子としての機能ドメイン(DNAポリメラーゼ、あるいは複製因子RF-Cとの相互作用部位)を変異を導入したPCNAの機能変化により解析した。その結果、鋳型DNA、DNAポリメラーゼ、さらに複製因子RF-Cと相互作用するドメインがPCNA三量体分子の内側、外側および側面にマップされた。 2.野性型および変異を導入したPCNA蛋白質とp21蛋白質の相互作用の程度を、BIAコアシステム、あるい免疫沈降法により測定した。その結果、複製因子としての機能を失った点突然変異を持つPCNAでもすべてp21に結合し、複製因子間の相互作用と異なった結合様式をとること、さらに立体構造に依存した複数の結合部位と相互作用することが示された。 3.p21に結合しない出芽酵母のPCNAに着目し、これとヒトPCNAのハイブリッドを作製し、p21との結合性を検討した。その結果、ヒトPCNAのN末端側領域にp21に特異的結合をする構造が存在することが明らかとなった。 4.p21によるPCNAの活性への影響を、精製した複製酵素の反応系を使って解析した。その結果、PCNAがDNAポリメラーゼの活性を促進する機能は、PCNA三量体当たり約三分子のp21の結合により効率よく阻害されるのに対し、RF-Cとの相互作用はp21の結合によって影響されなかった。従って、PCNAの関与するDNA複製のDNA鎖伸長過程の中でも、DNAポリメラーゼがPCNAに結合しDNAを合成する過程が直接阻害されていると考えられる。
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