研究課題/領域番号 |
07272249
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
里見 佳子 京都府立医科大学, 生化学教室, 助手 (90270678)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | カロテノイド / 抗プロモーター作用 / 皮膚2段階発がん / 自然発症肝がん |
研究概要 |
ブテノライダルレチノイドの中で、in vitroでの作用が最も強かったKNK-41を取り上げ、以下KNK-41の作用について検討した。 1.マウス自然発症肝がんに対して、0.02%KNK-41含有食餌の投与により、肝がん発生率、1匹当たりの腫瘍数とも抑制することが見い出された。しかし0.002%では抑制は見られなかった。 2.マウス皮膚発がんに対して、TPAに対し100及1000倍量のKNK-41を同時に皮膚に塗布すると、1匹当たりの腫瘍数はやや抑制されたが、腫瘍発生率は抑制されなかった。 3.KNK-41の作用点に関して、KNK-41はPKCの活性を抑制し、^3H-TPAの特異的結合を弱いが抑制することが見い出された。また、^3H-RAの結合に対しても阻害することが見い出された。 以上の結果より、KNK-41は肝臓発がんを抑制する可能性が示された。有効量は経口の場合0.02-0.002%の範囲と考えられる。しかし、皮膚発がんに対しては抑制効果は弱く、臓器特異性があるものと考えられる。今後、肺などの他の臓器に対する発がん抑制効果を調べる予定である。 作用機序に関しては、今までにG1アレストをおこすことやc-mycの発現を抑制することがわかっていた。今回KNK-41はPKC活性を抑制しTPAの特異的結合を抑制することが示されたが、皮膚発がんプロモーションの抑制効果は弱かったことから、発がん抑制に関して、PKC系への修飾作用の関与は大きなものではないと考えられる。一方、KNK-41は^3H-RAの結合を阻害することが見い出されたことから、KNK-41はRA receptorに結合することにより作用を発揮している可能性がある。今後RAR,RXRとのinteractionについて検討することを考えている。
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