研究課題/領域番号 |
07273222
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
上代 淑人 東京工業大学, 生命理工学部, 寄附講座客員教授 (90012690)
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研究分担者 |
小出 寛 東京工業大学, 生命理工学部, 寄附講座教員 (70260536)
佐藤 孝哉 東京工業大学, 生命理工学部, 寄附講座教員 (20251655)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1995年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | Ras / IL-3 / MAPチナーゼ / GTP結合タンパク質 / 細胞内シグナル伝達 |
研究概要 |
Ras蛋白質を介するシグナル伝達系は、繊維芽細胞では細胞増殖、褐色細胞腫PC12細胞では神経分化に関与している。血球細胞においても、RasはIL-2、IL-3などのサイトカインや、T細胞レセプターからのシグナル伝達系で分子スイッチとして機能している。しかし、サイトカインのもつ増殖誘導、細胞死阻止、分化などの多面的な機能のうち、どの機能をRasが担っているのか明らかにされていない。そこで本研究ではこの点を明らかにすることを目的として、優性抑制変異体Ras(S17N)を誘導発現させるシステムを用い、IL-3依存性プロB細胞株BaF3でのIL-3からのシグナル伝達系におけるRasの機能を解析した。Ras(S17N)を誘導的に高発現するクローン(N6細胞)において、Rasの下流で機能しているMAPキナーゼのIL-3刺激によるリン酸化(活性化)を検討したところ、Ras(S17N)を誘導したときに阻害が認められた。そこで次にRas(S17N)存在下、非存在下でのN6細胞の増殖を細胞数の計測、およびMTT法により比較した。その結果、Ras(S17N)の発現は、N6細胞の増殖には全く影響しなかった。以上の結果から、BaF3細胞においては、1)IL-3刺激によるMAPキナーゼの活性化はRasを介すること、2)IL-3依存的な細胞増殖にはRasが必要ないことが明らかとなった。現在、同様の発現系を用いた、活性変異型Ras(G12V)の効果の検討などにより、IL-3からのシグナル伝達系におけるRasの機能をさらに詳細に解析中である。
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