研究課題/領域番号 |
07273232
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
成宮 周 京都大学, 医学研究科, 教授 (70144350)
|
研究分担者 |
斎藤 雄二 京都大学, 医学研究科, 助手 (40263090)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1995年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
|
キーワード | rho p21 / 細胞内情報伝達系 / セリン スレオニン キナーゼ / 低分子量GTP結合蛋白質 / 細胞骨格 / 細胞運動 |
研究概要 |
低分子量GTP結合蛋白質rho p21は細胞骨格形成、インテグリン活性化などを制御し、また細胞基質接着と細胞運動の促進を介してがん細胞の浸潤、転移に重要な役割を果たす。さらに、活性型rho p21およびrho p21活性化因子は細胞の形質転換能をもち、かつ、rho p21はrasの下流のシグナル伝達系の一部を構成する。しかしながら、これまでrho p21の細胞内での作用の分子機序は全く不明であった。rho p21を介する情報伝達系を解明するこめにtwo hybrid法とligand overlay法を用い5種類のrho p21の標的分子を世界にさきがけて同定した。これらのうちの3つ(rhophilin,rhotekin,citron)はGTP結合型rho p21と選択的な結合能をもつが、一次構造上、触媒活性はもたないと推定される蛋白質であった。プロテイン キナーゼ N(PKN)とRho-associated,coiled-coil containing protein kinase(p 160 ROCK)はセリン スレオニン キナーゼであり、それらの触媒領域はそれぞれプロテイン キナーゼ C、筋緊張性ジストロフィーの原因遺伝子産物であるmyotonic dystrophy kinaseと相同性を示した。PKNとp 160 ROCKは、GTP結合型rho p21と特異的に結合し、また、in vivoならびin vitroにてGTP結合型rho p21存在下、約2倍のキナーゼ活性の上昇を示した。以上の結果は、これらの分子がrho p21の作用を発揮するエフェクター分子であることを強く示唆する。現在、これらの細胞内における役割について解析中である。rho p21の標的分子の機能を明らかにすることによりがんの浸潤、転移におけるrho p21の制御が可能になることが期待される。
|