研究課題/領域番号 |
07273242
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山村 博平 神戸大学, 医学部, 教授 (90030882)
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研究分担者 |
南 康博 神戸大学, 医学部, 助教授 (70229772)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1995年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | チロシンキナーゼ / Syk / K562細胞 / DT40細胞 / コルタクチン / SH2 / TPA |
研究概要 |
チロシンキナーゼSykは他の非受容体型チロシンキナーゼとは異なり細胞質に存在している。またSrc familyとは異なりSH2を2つもちSH3をもたないという特徴を有している。Sykの発現が血球系全般にそして未分化の細胞に見られることより細胞の増殖分化という血球系に共通する機能を担っている可能性がある。我々はK562細胞を用いてSykのdominat negative mutantを作成しTPA刺激等によるSykの機能を解析した。K562細胞においてはSykは分子量80Kの蛋白質をTPA刺激依存性に活性化する。この80K蛋白質を検討した結果コルタクチンであることを明らかにした。発癌遺伝子産物であるSrcの良い基質であるこの蛋白質の燐酸化の意義についてさらに追及している。さらに我々は放射線照射とチロシン燐酸化についてSyk-negativeやLyn-negativeのプロB細胞(DT40細胞)を用いて解析した。たしかに放射線照射はチロシン燐酸化活性を促進しアポトーシスをきたすが、必ずしもSykのみがこの反応に関与しているのではないことを見い出した。またSykの活性化とCyclic AMPの関係について多核白血球を用いて調べたところ、fMLPによるSykの活性化にはCyclic AMPは阻害的に作用することを明らかにした。このことはCyclic AMP依存性蛋白質燐酸化酵素に依るSykの燐酸化そして不活性化を強く示唆している。最近Syk familyに所属するチロシンキナーゼZap-70の2つのSH2のチロシン燐酸化残基との結合様式が明らかにされたが、我々はSykそのものの2つのSH2についてその作用の違いについて検討した。Sykの活性化に依るカルシウム動員作用等において双方のSH2が必要であることを明らかにするとともに、S末側のSH2がより重要な役割を果たしていることをDT40細胞を用いて明らかにした。
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