研究概要 |
インターロイキン2 (IL2), IL3, GM-CSF,エリスロポエチン(EPO)などで共通に転写活性化される初期遺伝子CISをクローニングした。CISは中央にSH2ドメイン、両端に機能が未知の約80個のペプチドをコードする新規遺伝子である。プロモーター領域をクローニングし解析したところ、CIS遺伝子はJAK-STAT5系によって転写促進されることが明らかとなった。またCISは活性化されたIL3受容体やEPO受容体と結合し、その活性を調節した。したがって一種のフィードバック調節因子と考えられる。またCISは血球細胞以外でも腎臓、肝臓、肺などの組織で高い発現が認められ、かつその染色体上の位置はヒトでは腎がん、肺がんなどで高頻度に欠失がみられる3p21であることからがん抑制遺伝子としての機能も考えらた。
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