研究課題/領域番号 |
07274102
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
斉藤 隆 千葉大学, 医学部, 教授 (50205655)
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研究分担者 |
岸原 健二 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (80214774)
高橋 秀実 日本医科大学, 医学部, 助教授 (40221361)
南 康博 神戸大学, 医学部, 助教授 (70229772)
藤原 大美 大阪大学, バイオメディカル教育センター, 助教授 (70116094)
上出 利光 北海道大学, 免疫科学研究所, 教授 (00160185)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
1995年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
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キーワード | T細胞レセプター / Co-stimulation / IL-2レセプター / シグナル伝達 / 抗腫瘍免疫 / CD3結合分子 / セリン・スレオニンキナーゼ / Jak3欠損マウス |
研究概要 |
癌免疫の中心を担うT細胞の活性化と制御のシグナル伝達系を明らかにするため、TCRを介する認識シグナル、接着分子による副シグナル、サイトカインレセプターによる増殖シグナル、の各々のシグナル伝達系とその相互作用を解析した。TCR-CD3複合体で形成する2つのシグナルユニットの一方CD3ζを介するシグナル伝達分子として90kdを同定した。p90は、活性化早期に、TCR刺激特異的に、ζ鎖構造に依存してチロシンリン酸化を受ける。他方、CD3_<ζε>に結合する分子も新たに2分子をクローニングできた。担癌状態に伴うTCR構造異常、特にζ鎖消失は、細胞内でも実際にマクロファージ様細胞との相互作用によって誘導されることを証明し、細胞内レドックス調節に関与することを示唆した。一方、CD28を介してする-stimulationを実際の抗腫瘍免疫へ応用し、B7導入メラノーマでは顕著に転移がなくなり、肝癌では、B7導入細胞で誘導したキラーT細胞が、元のB7-腫瘍も傷害できることを明らかにし、ワクチン療法への展望を拓いた。また、B7-CD28のシグナルが関与しないT_<H1>細胞の系でも、IL-12が増殖及びIFNγなどのリンホカイン産生の活性化を誘導できることが判明した。IL-2レセプターを介して増殖シグナルの解析では、変異Jak3を用いた解析から、Jak3が増殖シグナルに不可欠であり、Jak3およびStat5の活性化に必要なIL-2Rの領域を決定した。また、IL-2Rに会合するセリン・スレオニンキナーゼを新たに同定した。さらに、Jak3のin vivoでの役割を明らかにするために、Jak3欠損マウスを樹立した。このマウスでは、B細胞、NK細胞、リンパ節、γδ細胞などがほとんど分化しなかったが、T細胞は数は少ないが分化し、末梢CD4^+T細胞では活性化マーカーを発現しており、増殖シグナルと分化・活性化との関連を解析する上で興味深い。T細胞クローンのTCR刺激による増殖阻害においても、Jak3の減少が観察され、TCRシグナルと増殖シグナルの相互作用の解析をさらに進める必要がある。
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