研究課題/領域番号 |
07274105
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 紀夫 東京大学, 医学部(医), 教授 (10010050)
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研究分担者 |
佐々木 正夫 京大放生研センター, 突然変異機構研究部門, 教授 (20013857)
新部 英男 群馬大学, 医学部, 教授 (90008293)
小野 公二 京大, 原子炉実験所附属原子炉医療基礎研究施設, 教授 (90122407)
小川 泰弘 高知医大, 医学部, 助教授 (90152397)
安藤 興一 放医研, 第3研究グループ, グループリーダー (00159526)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
1995年度: 16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
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キーワード | 細胞死(アポトーシス) / 分割照射 / p53 / 先行指標 / リン酸化・脱リン酸化 / 放射線抵抗性の誘導 / 放射線感受性 / 放射線誘導タンパク |
研究概要 |
放射線は標的である腫瘍組織(Target volume)に確実にエネルギーをデボジットできることが特徴(薬剤の分布は血流に依存する)である。しかし、腫瘍細胞の浸潤性のため、かなり大きな照射野で正常組織が照射を受けることは回避できず、その障害が照射線量限界となる。照射野のがん細胞を有効に殺す一方、正常組織の障害をおこさぬよう修復させることが必要で、両組織間の生物学的因子の違いを利用する。個々の器官、腫瘍の放射線リスポンスの特異性に基づく、よりよい時間的線量配分を理論的に導き出すための基礎研究を目的とした。1)放射線による細胞死とくにアポトーシスに関し、ヒト及びマウス腫瘍系を用いて解析した結果によれば腫瘍細胞の中にはアポトーシスを起しやすい細胞集団と分裂死を起しやすい細胞集団があり、分割照射の有用性と密接に関連している可能性が示唆された(新部)。2)p53(変異型、正常型)の分割照射経過中での発現と腫瘍の照射反応との関連について、ヒト症例での解析も進みつつある(小川、新部)。3)重イオン治療の分割照射のための基礎データ(主として正常組織について)を集積した(安藤)。4)アポトーシスや放射線抵抗性誘導のメカニズム(佐々木)の解明の一環として、照射後誘導又は、リン酸化・脱リン酸化される蛋白質の検索をヒト腫瘍細胞で行った。照射後のMolt4細胞が死に至る過程の早期に出現するP41タンパクを見出し、この解析を進めた結果、このタンパクは新規合成ではなく、既存のタンパクのリン酸化他のプロセスが関与していることが判明した(鈴木)。その抗体の作製やcDNAのクローニングを計画し、これらについて先行指標としての可能性や細胞死を誘発する条件や因子を解析し、放射線治療研究の新たな方向づけをする必要がある。
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