研究課題/領域番号 |
07274206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
窪田 和雄 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (40161674)
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研究分担者 |
多田 雅夫 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10006083)
山田 進 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (70182532)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1995年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 腫瘍診断 / 制癌剤耐性 / 放射線抵抗性 / ポジトロン断層 / ^<18>Fフルオロフェニルアラニン / ^<18>Fフルオロミソニダゾール |
研究概要 |
ポジトロン断層(PET)により得られる腫瘍の代謝・増殖の指標と、シングルフォトン断層(SPECT)により得られる腫瘍のP-蛋白の指標を用いて、制癌剤耐性癌のin vivo診断法を開発することが本研究の当初の目的であった。しかし、制癌剤耐性ではなく、放射線耐性の研究に用いる予定の新しいポジトロン標識薬剤の開発の方が、先に進行してしまった。そこで、急遽予定を変更し、放射線療法後の腫瘍再発の診断と、放射線抵抗性の診断の研究を先に遂行した。このため、多剤耐性癌の診断については実験モデルが完成した段階である。 1.ラット皮下移植腫瘍を用いて、分割照射による腫瘍再発、制御モデルを作製した。照射後に、^<18>Fフルオロデオキシグルコース(FDG)、^<14>Cメチオニン(Met)、^3Hチミジン(Thd)をラットに静注し1時間後の体内分布、または二重標識オートラジオグラフィを調べ、病理組織所見と比較した。再発しない群では、Met・Thdの腫瘍集積は筋肉と同等まで低下する、FDGでは筋肉よりも高い。FDGは壊死周囲のマクロファージ・肉芽組織に高い集積を示す。再発する腫瘍では、Met・Thdの集積は生存癌細胞に最も高い。FDGはマクロファージにも同様な集積があり区別できない、変性腫瘍細胞にも高い集積がある。以上の結果から放射線治療後の再発の診断にはFDGよりもMetやThdの方が向いていることがわかった。 2.^<11>Cメチオニンの欠点である短半減期、複雑な代謝、を克服する新しい薬剤として、アミノ酸輸送の指標である^<18>Fフルオロフェニルアラニン(FPhe)を新たに開発した。FPheのAH109A腫瘍への集積は肝・腎・腸などよりも高く、全身オートラジオグラフィでも腫瘍は明瞭に描出された。放射線治療に対する腫瘍集積の反応も非常に鋭敏であり、腫瘍放射線治療の評価に有用であることがわかった。 3.低酸素細胞の指標として知られている18Fフルオロミソニダゾール(FMISO)の合成法を改良し、新たにワンポット法により高収率で合成できるようになった。虚血により放射線抵抗性となった腫瘍には、コントロールよりも高いFMISOの集積があり、放射線抵抗性を診断できる可能性があることがわかった。
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