研究課題/領域番号 |
07274217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
斎藤 泉 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (70158913)
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研究分担者 |
鐘ケ江 裕美 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80251453)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1995年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | ウイルスベクター / 遺伝子治療 / アデノウイルス / 組換え酵素Cre |
研究概要 |
がんの遺伝子治療の方向性としては、現在癌のワクチン療法と自殺遺伝子による方法が検討されている。癌のワクチン療法用のアデノウイルスベクターに関しては、各種サイトカインを発現する組換えアデノウイルスを作製するための効率のよいベクター作製法を既に確立し、共同研究を含め多くの組換え体の作製に成功し、組換えアデノウイルスの多くは理化学研究所の遺伝子バンクに寄託している。また強力なプロモーターの検索の結果から、CAGプロモーターが最も有用性が高いことも明かとし、目的遺伝子組み込み用カセットを改良しCAGプロモーターが組み込まれているコスミドカセットの配布も開始した。この結果当初予定していた目的の大半は達成したため、自殺遺伝子等正常細胞への毒性が懸念される遺伝子を、安全に発現するための発現制御系の確立を目指して研究を遂行した。本研究で開発した『切り出し発現型発現制御系』は、目的遺伝子+PolyAシグナル+プロモーターの両端に部位特異的組換え酵素Creの標的配列であるloxPを有している標的ウイルスとCre発現組換えアデノウイルスを同時感染する系である。CreはloxP配列を特異的に認識して相同組換えをおこし、loxPで挟まれた領域を環状に切り出すことが知られているため、Cre発現ウイルスを感染することで環状分子が生成して始めて発現単位となり得る。この『切り出し発現系』は、Cre感染前の非特異的発現が少なく精度の高い発現制御系であった。この系に自殺遺伝子を組み込み癌細胞でのみ発現するプロモーターと組み合わせることで、がんの遺伝子治療において安全性の高い系が確立されると考えている。
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