研究課題/領域番号 |
07274219
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松澤 昭雄 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50012745)
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研究分担者 |
清水 本武 都臨床医学総合研究所, 研究員 (10124463)
善本 隆之 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80202406)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1995年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | アポトーシス / Fas / 抗Fas抗体 / lpr / gld / 肝癌 / 癌治療 / 遺伝子治療 |
研究概要 |
アポトーシスはネクローシスと共に重要な細胞死である。しかし、アポトーシスによる細胞死と抗腫瘍効果の関係はまだ明らかにされていない。そこで、FAS抗原-FASリガンド系によるアポトーシスを腫瘍細胞で人工的に起こさせて、in vivoにおける抗腫瘍効果の発現を検討した。 1.CBA-lpr^<cg>/lpr^<cg>をC3Hマウスに交配し、F2でリンパ節腫脹をおこした個体を選択し、再度C3Hと交配する。この操作を12回反復して、C3H-lpr^<cg>/lpr^<cg>コンジェニックマウスを作出した。C3H-gld/gldとC3H-lpr/lprの交配で作出したF1をC3H-gld/gldと戻し交配し、その子孫の中からリンパ節腫脹を起こし、かつFAS発現が半分の個体をFACSで選択し、それらの個体同士(gld/gld lr/+)の交配から得られたマウスでFAS発現を欠損する個体を選んでC3H-gld/gld lpr/lprを作出した。 2.C3Hマウスに同系腫瘍のマウス肝癌MH134を材料として用いた。MH134は悪液質を誘導し、転移しやすく、悪性度の高い腫瘍である。FAS抗原陰性のMH134培養細胞にマウスFAS抗原とNeo耐性のcDNAを電気穿孔法で導入した後、G418耐性株を選択した。抗マウスFAS抗体Jo2によるフローサイトメトリー法でFAS発現株を選択し、限界希釈法でクローンを得た。FAS抗原発現クローンF6bは抗FAS抗体処理で、細胞死の誘導と核の断片化が認められた。そこで、上述のように作出したFAS抗原とFASリガンドを欠損するC3H-gld/gld lpr/lprマウスにF6b肝癌を移植し、抗FAS抗体の投与による治療実験を行ったところ、核の断片化と著しい抗腫癌効果が認められた。 FAS抗原陽性の腫瘍細胞が、二重ミュータント系統gld/gld lpr/lprマウスを宿主として、抗FAS抗体で著しく増殖抑制された。従って、本研究によって、FAS抗原およびFASリガンドによる悪性腫瘍の新しい遺伝子療法の可能性が示唆された。
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