研究課題/領域番号 |
07274240
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
河田 純男 大阪大学, 医学部, 助教授 (90183285)
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研究分担者 |
中野 洋文 協和発酵(株), 東京研究所, 管理室長
田村 伸司 大阪大学, 医学部, 助手 (30243223)
松沢 佑次 大阪大学, 医学部, 教授 (70116101)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ras癌遺伝子産物 / フェルネシルトランスフェラーゼ / ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤 / 細胞増殖 |
研究概要 |
ファルネシルトランスフェラーゼ活性測定には従来より精製Ras淡白と^3Hラベルされたピロ燐酸ファルネシルを基質として用いた測定法が使用されてきた。しかし、従来の測定法では臨床材料などを用いた場合、検体試料の蛋白増加によりバックグラウンドのカウントが上昇するため、正確な測定が不可能であった。本研究では、ダブシル基にてラベルしたRas C末端ペプチドを用いたHPLCによる本酵素活性測定法を開発した。本法は、臨床材料などの粗精製の検体においても有用な測定法であると考えられる。 ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(manumycin gliotoxin)は十種類のヒト癌由来細胞株の増殖を抑制した。Ras p21のファルネシル化抑制率と増殖抑制率はほぼ並行しており、とくにRas癌遺伝子の活性化された細胞株において著効を示した。 ヒト膵癌由来細胞PaCa-2をBALB/cヌードマウスの皮下に移植し、本阻害剤の抗腫瘍効果を検討したところ、有意の抗腫瘍効果を観察した。 本研究によって、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤はin vitroおよびin vivoにおいて抗腫瘍効果を示すことが明らかとなった。 また、Ras癌遺伝子が活性化されている癌細胞においてより強い増殖抑制作用を示した。これらのことから、Ras癌遺伝子の活性化を有する大腸癌や膵癌の治療法として本法が有用である可能性が示唆される。今後、臨床応用にむけてのさらなる検討が必要である。
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