研究課題/領域番号 |
07274253
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
伊東 文生 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90223180)
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研究分担者 |
今井 浩三 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60117603)
高橋 徹 札幌医科大学, 医学部, 助手 (70253995)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1995年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | マトリライシン / 大腸癌 / 浸潤 / 転移 / レチノイン酸 |
研究概要 |
癌細胞の浸潤と関連すると考えられているマトリライシンの大腸癌における活性化と発現分布を検討した。ザイモグラフィーを用いた活性化の検討では、大腸癌組織にのみ高率に活性型マトリライシンを認めた。また、免疫組織学的に浸潤先端部に発現を検出し、マトリライシンと大腸癌の浸潤の関連がさらに強く示された。大腸癌細胞そのものが発現していること、マトリライシンの発現レベルが際だって高いことを考え併せると、マトリライシンは大腸癌浸潤の重要なkey moleculeであると考えられた。また、胃癌・肝細胞癌においてもやはり高頻度に発現しており、特に肝細胞癌においてはマトリライシンの活性型の発現は門脈への浸襲および肝内転移と有意な相関を認めることも明らかとし、大腸癌以外の悪性腫瘍においてもその進展との関連が考えられた。 大腸癌細胞株CHC-Y1にマトリライシンを強発現させると多数の肝転移を誘導することが可能であった。このことは、浸潤能の亢進が肝転移能の亢進につながりうることを示唆するものと考えられた。本研究により、TGF-βおよびレチノイン酸がマトリライシンの発現を抑制することが明らかとなった。このうち、TGF-βは種々の癌組織においてやはり代表的なマトリックスメタロプロテアーゼであるゼラチナーゼAおよびBの産生を亢進することが知られているため、浸潤抑制にはレチノイン酸が適していると考え、以後の検討にはレチノイン酸を用いた。マトリックスメタロプロテアーゼに対するインヒビターやセリンプロテアーゼに対するインヒビターを用いた実験を行いレチノイン酸による浸潤能の抑制はマトリライシンの発現抑制によるものと考えられた。また、浸潤能の抑制はアンチセンスのマトリライシン導入によっても起こりうることを明らかとした。以上のことより、マトリライシンの発現を減少させれば、大腸癌の浸潤を抑制しうると考えられた。
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