研究課題/領域番号 |
07274254
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
岡田 昌二 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (40046256)
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研究分担者 |
武田 厚司 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (90145714)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1995年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | メタロチオネイン / 亜鉛 / 悪性腫瘍 / 肝臓 / 画像診断薬 / アンチセンスオリゴヌクレオチド / 癌治療薬 |
研究概要 |
悪性腫瘍に関しては、その早期における検出と治療が必要とされているが、早期検出のための放射性画像診断薬剤(イメージング剤)に満足すべきものがなく、早期適用抗癌剤とともにその開発がまたれている。本研究は、亜鉛(Zn)等の必須微量金属の恒常性維持に関与するとともに、細胞増殖に必須と考えられているメタロチオネイン(MT)の遺伝子発現に着目した新しい悪性腫瘍診断薬および治療薬の開発を検討した。 すでにこれまでの研究によって、ラット、マウスにおいて、癌の発生・増殖時に肝臓においてZn-MTがその初期から特異的に増加することを見い出しており、本研究では、新たな診断薬の開発に資するために、まずその特徴と機構を検討した。その結果、癌の場合には炎症、拘束ストレス等の場合と異なってZnの肝への蓄積が最初に起こって持続的にMTを誘導するとの特徴がみられた。したがって、Znを核医学的に追跡することによって初期癌の診断が可能であることを示唆した。一方、Zn-MTは癌細胞の増殖にも必要であり、MTの遺伝子発現においてmRNAへの転写を阻害するMT-アンチセンスオリゴヌクレオチド(ODN)が細胞レベルで癌細胞の増殖を特異的かつ用量依存的に抑制することを明らかにし、MT発現の抑制という新しい方法による早期癌の治療が可能であることを示した。現在、MTに関してさらに診断・治療の両面から検討を加えているが、これは、これまでにない新しいアプローチである。
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