研究課題/領域番号 |
07274255
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
加藤 泰治 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (60094364)
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研究分担者 |
浅井 清文 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (70212462)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1995年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 神経芽腫 / アストロサイト / 増殖抑制因子 / 神経栄養因子 / タンパク因子 / NGIF |
研究概要 |
「アストロサイト由来神経栄養因子によるニューロン・グリア相関」をメインテーマとして研究する過程で、ニューロンおよびグリア発生に密接に関連すると思われるタンパク質性因子を同定した。なかでもグリア成長因子(GMF)、グリア増殖制御因子(グリオスタチン)の2種の因子は、いづれもアストロサイトが産生する神経栄養因子で、GMFとグリオスタチンについては分泌シグナルを持たない細胞質タンパクであることを証明した。さらに昨年度、グリアが神経芽腫細胞の増殖を特異的に抑制するタンパク性の神経芽細胞増殖抑制因子(NGIF)を産生していることを見い出した。この因子はアストロサイトが産生する弱塩基性タンパク質で、、分子量60Kのホモダイマー構造(120K)をとる。さらにこのNGIFはラット大脳皮質ニューロンに対し、生存維持および突起進展作用といったいわゆる神経栄養因子活性をもつことがわかった。この知見は、神経芽腫細胞増殖抑制因子(h-NGIF)が特異性の高いサイトカインであり、脳発生や神経機能修復過程で作用すると考えられる新しい神経栄養因子であることを示している。 将来的な臨床応用を考慮して、これまでのラットからヒトに切り替え、ヒト星状膠腫細胞(NAC1)が産生するヒトNGIFを用いて実験を遂行中である。いまのところ、定法のカラムワークとともにサブトラクション法も用いてNGIFの化学構造の決定を急いでいる。得られた遺伝子構造をもとに組換え体ヒトNGIFを大量する。この新規のサイトカインを用い神経芽腫の治療をめざす。
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