研究課題/領域番号 |
07276103
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
岡田 泰伸 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (10025661)
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研究分担者 |
丸茂 文昭 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (00050443)
土屋 友房 岡山大学, 薬学部, 教授 (80012673)
植田 和光 京都大学, 農学部, 助手 (10151789)
今井 正 自治医科大学, 教授 (40049010)
竹口 紀晃 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (00019126)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
87,800千円 (直接経費: 87,800千円)
1998年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1997年度: 26,800千円 (直接経費: 26,800千円)
1996年度: 28,500千円 (直接経費: 28,500千円)
1995年度: 29,500千円 (直接経費: 29,500千円)
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キーワード | イオンチャネル / 水チャネル / トランスポータ / カルシウムポンプ / 構造・機能相関 / クローニング |
研究概要 |
全ての細胞機能は、チャネル(イオンチャネル、水チャネル)やトランスポータ(キャリア、ポンプ)やレセプタなどの細胞膜機能蛋白質の働きによって担われたり支えられたりしている。本研究では、チャネルとトランスポータの物質輸送機能とそのメカニズムについて、それら両蛋白質を構造及び機能において協関的(即ち協同的・相関的)に捉えつつ研究することを目指して3年間本領域を組織してきた。本年度はその成果をとりまとめ次のような総括を行った。 本領域の基本的設問は、1.「チャネルとトランスポータは構造において、機能においてどこまで同じで、どこが異なっているのか?」、2.「チャネルとトランスポータはいかなる関係を持ちながら細胞レベルでの機能を実現しているのか?」ということであった。この目的を達成するために、三つの班のもとに総勢1995年度63名、1996年度74名、1997年度70名で研究を行った。その結果、1.チャネルとトランスポータは構造においても機能においても連続性を示し、統一的に捉えるべきものであること、2.チャネルとトランスポータの多くは構造的にも機能的にも協関していること、が結論された。 CICやAQPやKir6.2など29以上の新しいチャネル、そしてSUR2やcMOATのようなABCトランスポータやPEPTシンポータやNhaアンチポータなど新しいトランスポータを42以上発見し,その遺伝子クローニングを行った。これらを基礎として、チャネル/トランスポータの機能部位を30以上アミノ酸レベルで明らかにした。チャネル-トランスポータ間の協関についても10以上見出した。チャネル病/トランスポータ病についても約10同定した。 一次構造の特徴や、ATP水解性の有無や、大きなオイン電流の発生の有無などによってトランスポータとチャネルを区別することはできないが、両者には輸送率やキネティクスに大きな差がある。蛋白の三次元構造解析の結果、Kチャネルにおいては膜を貫通するポアが存在するが、Caポンプではポア構造は示さず、蛋白内の結合部位へと導く通路がcavity状に存在するという構造状の差が判明した。チャネルは開状態のときには基質は膜の両側からアクセス可能であるが、トランスポータではそうではなく、結合サイトへの入り口を一方に向けたコンフォメーションから出口を他方に向けたものにスイッチすることが結論された。 チャネル蛋白-トランスポータ蛋白間には"基質結合誘起性バイファンクション協関"や、"ツイン構造バイファンクション協関"、"モジュレータ共役性協関"、"レギュレーティング協関"などが成立することが明らかにされた。多くのABCトランスポータはチャネルと構造的に共役し、機能的に制御することが明らかとなった。MDR1は容積感受性C1チャネルの、ABCトランスポータCFTRは、(ORCCやENaCチャネルのみならず)ATPチャネルの、SUR1,2A,2BはATP感受性KチャネルKir6.1やKir6.2の構造的レギュレータとして働くことを明らかにするなどの画期的業績を上げた。
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