研究課題/領域番号 |
07276204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
杉山 俊博 秋田大学, 医学部, 教授 (00127242)
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研究分担者 |
寺田 邦彦 秋田大学, 医学部, 講師 (60197796)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ウィルソン病 / 銅トランスポータ / PタイプATPase / LECラット / 遺伝子治療 |
研究概要 |
近年、ヒトウィルソン病の原因遺伝子としてP-type ATPaseに属する、銅のトランスポーター蛋白をコードしているATP7B遺伝子が同定された。一方、ヒトウィルソン病と同様に肝臓内の銅異常蓄積を呈するLECラットにおいてもこの遺伝子の異常が見つかり、このラットが、ヒトウィルソン病の動物モデルでとして有用であることが明らかにされている。しかし、ATP7B遺伝子の異常が、銅代謝異常を引き起こしているという直接的な証拠は未だ示されておらず、また、この遺伝子産物である銅トランスポーターの細胞内での動態および機能も完全には明らかにされていない。 そこで、まず、LECラットでは、銅の肝臓から血中への排出低下が見られることから、その障害部位を同定するために、肝細胞の細胞内分画を行った。この結果、ゴルジ装置において銅がセルロプラスミンに結合できず、銅を持たないセルロプラスミンが血中に分泌されることがわかった。次に、この銅トランスポーターの細胞内での局在を調べるために、ATP7B遺伝子を、リン酸カルシュウム法により培養細胞に導入した。一過性発現を見た場合、銅トランスポーターは、ゴルジ装置に局在していることが蛍光抗体法により明らかになった。以上のことより、ヒトウィルソン病の動物モデルであるLECラットでは、異常な銅トランスポーターがゴルジ装置にあるために、セルロプラスミンが銅を持たずに分泌され、銅が肝臓内に蓄積するものと考えられた。 今後は、種々の変異を持ったATP7B遺伝子を細胞に導入し、銅トランスポーターの機能発現に必要な構造をより詳細に明らかにする。さらに、LECラットの肝臓にATP7B遺伝子をアデノウィルスを用いて導入し、ウィルソン病に対する遺伝子治療のモデルとする。
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