研究課題/領域番号 |
07276236
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
林 松彦 慶応義塾大学, 医学部, 助教授 (60129608)
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研究分担者 |
山路 安義 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (20200701)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 陰イオン交換体2型 / AE2 / 強制発現(transfection) / 細胞内局在 / 細胞極性 / MDCK細胞 |
研究概要 |
(1)腎臓に多く分布している陰イオン交換体2型(AE2)およびNa/H交換体3型(NHE3)を培養細胞に強制発現させ、高浸透圧刺激に対する各々の活性化を測定し、その共役関係および活性調節を明らかとする目的で本研究は開始された。AE2、NHE3の各cDNAを挿入したベクターを作成したが、最近になってAE2を発現させたCHOP細胞での細胞内アクリル負荷に対しての輸送体活性の検討、およびAE2を発現させたXenopus卵細胞での細胞内アルカリ負荷に対するnative NHE3ならびにtransfected AE2の活性化の検討が相次いで発表されたため、当初の計画を変更し、AE2を強制発現させたMDCK細胞での輸送体蛋白の細胞内局在と細胞の極性変化との関連、さらには局在の変化による輸送体活性の変化を検討することとした。 (2)AE2に特異的なペプチドを作製し家兎抗血清を得て、そのcharacterizeを進めた。transient expressionによりAE2を腎上皮培養細胞に発現させた系において、培養細胞の組織染色、ならびにimmuno-blottingをおこなったところ、染色、bandの出現を認め、抗AE2抗体の存在を確認した。しかしながら、rat腎組織での免疫組織学的な染色性は弱く、膜分画のimmuno-blotにおいてもbandは明瞭ではなかった。 (3)上述の系におけるAE2の発現は、組織染色にてdiffuseなパターンを示し、AE2が必ずしも、basolateralに限局しない分布を示すことが示唆された。さらに、各種培養条件におけるAE2の発現を検討する目的で、AE2を発現したpermanentなMDCK細胞を得るため、neomycin耐性で選択し、プール細胞を得た。得られたプール細胞は対照のneo耐性プール細胞と比し、細胞間の接着の様相が形態的に異なっていた。しかしながら、AE2の抗原性はwestern blot、組織染色のいずれにても明らかとならなかった。この原因としては1)抗体の力価が不十分である。2)発現ベクターの発現が不十分である。3)AE2の発現が細胞にとってtoxicである、4)培養細胞に発現した場合でも腎組織で報告があるように抗原基を露出させるためには特殊な処理を要する可能性があること等、が考えられる。現在細胞のクローン化を試みているほか、fusion proteinによる免疫、別のペプタイドによる抗ペプチト抗体の作製、tag(myc-tagなど)をAE2に組み込むことをふくめて、これらの原因を検討中である。
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