研究課題/領域番号 |
07278102
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三品 昌美 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80144351)
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研究分担者 |
渡辺 雅彦 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70210945)
梅森 久視 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20242117)
八木 健 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (10241241)
狩野 方伸 金沢大学, 医学部, 教授 (40185963)
真鍋 俊也 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70251212)
崎村 建司 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40162325)
杉山 博之 九州大学, 理学部, 教授 (20124224)
高橋 智幸 東京大学, 医学部, 教授 (40092415)
二木 宏明 東京大学, 大学院・人文,社会系研究科, 教授 (10073074)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
280,400千円 (直接経費: 280,400千円)
1998年度: 60,500千円 (直接経費: 60,500千円)
1997年度: 61,200千円 (直接経費: 61,200千円)
1996年度: 74,100千円 (直接経費: 74,100千円)
1995年度: 84,600千円 (直接経費: 84,600千円)
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キーワード | NMDA受容体 / グルタミン酸受容体 / シナプス可塑性 / 記憶 / 学習 / 海馬 / 小脳 / シナプス形成 / LTP / NMDA受容体チャネル / リン酸化 / 小脳プルキンエ細胞 / 神経回路網 / G蛋白質 / ノックアウトマウス / 運動失調 |
研究概要 |
NMDA受容体チャネルのε1サブユニット欠損マウスでは、大脳海馬領域におけるNMDA受容体チャネル電流ならびにシナプス伝達の長期増強の程度が明らかに減少し、水迷路学習試験において学習能力の低下を認めた。この結果はNMDA受容体チャネル依存性シナプス可塑性が記憶・学習の基盤となっているとの考えを支持するものである。一方、ε2サブユニット欠損マウスは、生後1日で死亡し、三叉神経核においてヒゲ知覚神経に対応する樽状構造(バレレット構造)の形成が認められず、海馬シナプスではシナプス伝達の長期抑圧が検出されなかった。以上の結果から、ε2サブユニットはシナプス可塑性とシナプス形成の両者に関与することが明らかとなった。小脳プルキニエ細胞に特異的に発現するグルタミン酸受容体チャネルδ2サブユニット欠損マウスは運動失調を示し、平行線維とプルキニエ細胞間のシナプス長期抑圧が欠失していることを明らかにした。さらに、プルキニエ細胞において平行繊維シナプス数の減少と登上繊維の多重支配が観察されることを見い出した。代謝型グルタミン酸受容体1型を欠損したマウスは平行線維とプルキニエ細胞間のシナプス長期抑圧が消失しており、運動失調を示し、まばたき反射の古典的条件付けが傷害されていることを明らかにした。さらに、プルキニエ細胞において登上繊維の多重支配を見い出した。γ型プロテインキナーゼCを欠損したマウスは運動失調を示し、平行線維とプルキニエ細胞間のシナプス長期抑圧およびまばたき反射の古典的条件付けは傷害されていなかったが、プルキニエ細胞において登上繊維の多重支配が観察された。これらの結果は、長期抑圧が簡単な運動学習のためのいわば記憶素子であり、複雑な運動をスムーズに行なうため(運動協調)には、登上線維とプルキンエ細胞の1対1の結合が必要であることを示唆している。
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