研究課題/領域番号 |
07278202
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
藤澤 仁 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10027039)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | カルシウム / カルモデュリン / 脳 / タンパク質リン酸化酵素 / シグナル伝達 / 酵素活性の調節機構 / タンパク質リン酸化反応 / プロテインキナーゼキナーゼ |
研究概要 |
カルシウム/カルモデュリン依存性タンパク質リン酸化酵素IV.(CaMキナーゼIV)をリン酸化して著明に活性化するCaMキナーゼIVキナーゼを精製し、精製した酵素をトリプシン消化して得たペプチドをHPLCで精製しその部分アミノ酸配列を決め、対応するオリゴヌクレオチドからPCRでプローブを作成し、そのプローブを用いてラットの脳のcDNAライブラリーからCaMキナーゼIVキナーゼのクローニングを行い、そのヌクレオチド配列を決めた。ヌクレオチド配列から推定された酵素のC末端部分のアミノ酸配列をもつペプチドを合成してウサギを免疫しCaMキナーゼIVキナーゼに対する特異抗体を調製した。こうして得たクローン化したCaMキナーゼIVキナーゼに対する特異抗体を用いて免疫組織化学的に酵素の脳内部位分布、細胞内分布を調べ、CaMキナーゼIVの分布と比較検討したところ、クローン化したCaMキナーゼIVキナーゼはCaMキナーゼIVと同様に脳内に広く分布しているが、CaMキナーゼIVが豊富に存在する小脳の顆粒細胞層には殆ど存在しないことが明らかになった。CaMキナーゼIVキナーゼの細胞内分布はCaMキナーゼIVと同様に細胞の核に限局して存在しており、CaMキナーゼIVキナーゼし神経細胞の核の中でCaMキナーゼIVをリン酸化して活性化する可能性が考えられた。CaMキナーゼIVキナーゼはin vitroの実験ではCaMキナーゼIVのみならずCaMキナーゼIをも著明に活性化するが、CaMキナーゼIが細胞の核には存在せず細胞質に分布するというこれまでの報告を考え併せると、我々が脳からクローン化したCaMキナーゼIVキナーゼはCaMキナーゼIVを活性化するための酵素である可能性が高いと思われる。またimmunotitrationの実験は小脳のCaMキナーゼIVキナーゼ活性の4分の1程度しか抗体と反応しないことを示しており、CaMキナーゼIVキナーゼが小脳の顆粒細胞層に殆ど存在しないという実験結果を併せて考えると、小脳には我々や米国のSoderlingらによってクローン化されたCaMキナーゼIVキナーゼとは異なるアイソフォームが存在する可能性が考えられる。
|